新撰組と妖狐ちゃん!
「え、あ、えと?」
何か今日、
ハグされる数が多いっす←
土方が家族だって言ってくれたけど、
家族ってこんなにハグするものなのでしょうか。
あたしが、顔をしかめていると、
抱きしめ終わった(?)沖田が
腰に回した腕を離して、
今度はあたしの肩を掴んだ←
「ねぇ、日向。何で出てったの。」
いつにもなく真剣な顔つきで言う沖田←
その目があたしの目を捉えて離さない。
すると、
「その事はもう俺が聞いた。
同じ事を聞いてやんな。」
痛ぇ…とぶつけたらしい頭をさすりながら、復活した土方がイライラしながら此方へやってきて、
おら、離れろよ。と、
沖田の肩を掴んで引き剥がそうとした←
けれど、
「土方さんが聞いても僕は聞いてないんですー。ちょっと黙っててください★」
沖田は微動だにせず、
黒ーい笑顔で土方を制した←
「テンメェ…!!」
完璧にキレたらしい土方が、
沖田を殴ろうと拳を振りかざすが、
沖田はソレをひょいひょいと避けてながら、
「ほら、教えてよ。」
あたしの答えを催促した。
…土方ガン無視で←
さっきのヒステリックな沖田は何処へ行ったのやら。
黒いオーラ丸出しであたしに微笑んだ。
…微笑むとか怖ぇよ!!
「え、えーと…
お前らを斬ってしまったから…?」
あまりのドス黒い笑顔に、思わず苦笑いで、しかも疑問系になった←
つーか、あれ?
最初からこのドス黒いオーラの標的って…
土方じゃなくて、
あたし!?←
え、助けてられるどころか、
さらに窮地に追い込まれてんですけど!
「ふーん?」
あたしが地味に焦っていると、
対して興味なさそうに沖田は言った。
「…おい、
自分から聞いといて何なんだよ。」
あたしがじとーっと睨むと、
「だって、何となく分かってたし←」
「じゃあ聞くなよ。
そして、一発俺に殴られろ総司。」
この会話の間、
ずっと沖田に殴りかかって、
すべて避けられていた土方が、
ハァハァ言いながら顔を引きつらせた←
すると、
沖田はまた土方をガン無視し、
あたしの目を捉えて言った。
「日向には責任はないよ。
そんな事で責任感じてたら斬るからね?」
いや、
思いっきり責任感じてたんですけども…←
あたし斬られるのか??←
「おい総司テメェ無視s「でもね、」
またまた土方を無視して、
沖田はこう続けた。
「日向には別の件で責任があるから。」
「!?」
何故かドス黒い笑みを浮かべる沖田に、
背中を冷や汗が伝う←
すると、
「おい!テメッ」
土方の焦った声が聞こえたかと思うと、
沖田の顔が近づいてきた。
そして、耳元で囁いた。
「…あの時、
後で覚えといてって言ったよね?」
「…。」
あの時?
…。
池田屋で沖田を馬鹿にしたアレ!?
「え、まさか…
まだ根に持ってんの…?」
「もちろん★」
そう言って、土方同様、
あたしを畳の上に突き落とした。
…突き落とした?
「ええええええええええええ!!??」
突き落とされた衝撃に耐えるべく閉じた目を、恐る恐る開くと、
何故に沖田まで
あたしの上に覆いかぶさっとんじゃあーーーーーー!!!!!
あたしの目の前には、
妖しげな笑みを浮かべた沖田の顔があった←