新撰組と妖狐ちゃん!
「…まぁ、とりあえず、お猪口貸せ。
酒ついでやる。」
そう言うと、
えー、
と、沖田が不満そうな顔をした。
「…何だよ。あたしが嫌なら永倉についでもら「嫌だよ。」…速いな、おい。」
そして、
遠くで地味に傷付いている永倉。
其処で傷付く意味が分からん。
すると、
「ねー、せっかく花魁の格好してるんだからさー、花魁みたいに振舞ってよ!」
言葉とか仕草とかさぁー。
と、沖田がジトーッとした目で見てくる。
「やだね。つーか、それはあれか。
普段のあたしの振る舞いを否定してんのか。」
言うだけならまだしも、そんな目で見られたら誰だってそう思う。…はず←
あたしが顔を引きつらせていると、
今度は、
「そうだなー、確かにせっかく花魁の格好をしてるしなー、」
…お前もか原田。
隣を見ると、期待のこもった目で
原田があたしを見ている←
…。
そんなに花魁の振る舞いがいいのか←
そんなに媚を売ってもらいたいのか←
あたしが複雑な顔をしていると、
「んな事しなくても、日向が酒をついでくれるだけでも俺は嬉しいぜ!」
沖田の隣、
つまり平助が純粋な笑顔で(ここ重要←)何とも嬉しい発言をしてくれた。
あたしは無言で立ち上がり、
平助の背後に歩み寄り、
「嬉しい事言ってくれるじゃないか
このヤロー!!!」
「ひひひひ日向!?/////」
平助に抱きついた←
平助!
あんたをポチから忠犬ハチ公に
昇格させてあげよう!←
(犬なのには変わりないw)
そして、
その瞬間の周りの反応は様々←
原田はおー!と何か楽しんでるし、
永倉はヒューヒュー言ってるし、
向かい側にいる近藤さんは笑ってるし、
斎藤は無反応だし、
山南さんは微笑んでるし、
…沖田は言うまでもなく、
「何してんの日向?(黒笑)」
どす黒いオーラを放っていた←
すると、赤かった平助の顔が、
どんどん青くなっていく←
「ちょちょちょちょ!!
ひ、日向!離れて!!こ、殺される!」
「やだ。」
「え"、矛盾ーー!矛盾してる!!!」
もがく平助をよそに、あたしはいっそう抱きしめる力を強くした。
絶対に離さないからな!
沖田に勝ってやるんだから!!!
(何の勝負!?)
「あ、そうだ、」
さらにあたしは思いついて、
抱きしめながら、沖田に向かってニヤッと口角を上げた←
「平助に先についでやるよ。
あと振る舞い平助だけに花魁っぽくしてやる←」
「ううう嬉しいけど!!
殺されるんだって!!総司に!!」
もう真っ青を通り越して、
真っ白になった平助の視線の先には、
とてつもなく黒い笑顔で、
今にも刀を抜きそうな沖田が←
…。
平助、男なら耐えるんだ!
(酷いw)
「ほらぁ、お侍はん、
うちとお酒飲んでくれへん??」
あたしがわざと猫なで声で
平助に言ってみる。
すると、
真っ白だった平助の顔が
ゆでダコみたいに真っ赤になった。
…。
…え、面白い←
(人で遊ぶなw)
そこであたしは気づいた。
この数日間、
島原で培ってきた能力で、
この腹黒大魔王を、
撃沈させたれ←
そこにあたしの勝利はある!!←え"。