新撰組と妖狐ちゃん!
あたしは沖田を見て
ふふふと不気味に微笑んだ。
「何?日向。
何か企んでるの?」
そう聞いてくる沖田も、あたしに負けず劣らず黒い笑みを浮かべる。
「そんなに花魁っぽくしてほしいんなら、この天下の日向様が、その黒ーい笑顔を浮かべる余裕なんて無くなるくらいにしてやるよ。」
「ふーん?」
あたしが沖田に向かってニヤッと口角を上げると、まるでやれるもんならやってみろ、と言うように沖田は笑みを浮かべる。
天下の日向様なめんなよ?
この数日間でどれだけの男を撃沈させてきたと思ってんだ。
…違う意味でだけど←
(主に殴ったり蹴ったり←)
あたしは
ずっと抱きついてた平助から離れた。
…ちなみに平助は既に
何処かに意識を飛ばしている←え"
流石にあたしがやったし、
可哀想なので、
丁寧に畳に寝かしてやった。
そして立ち上がり、
いざ、沖田撃沈!と
沖田の側に向かおうとした時、
思わぬ邪魔者が入ってきた←
「おい、日向。テメェ、
どーでもいいから早く酌しろよ。」
あたし、沖田、原田、永倉は、
一斉に声のした方を見た。
…。
「「「いたのか。(いたんですか。)
土方(さん)。」」」
…。
「あ"ぁ!?何全員、知らなかったみたいな顔してんだよ!?斬られてぇのか!」
土方が、近藤さんの隣に、
当たり前のように座っていた←
…全くもって気づかなかった…
…しかも、さっき置いて行ったよな?
…後から部屋に入ってきたんだよな?
…まるで空気のようだ…
…うん。
…まるで空気のy「…おい、テメェ、全部声に出てんだよ。しかもなんで最後だけ強調してんだ。あ"?」
あたしの心の中の言葉に
青筋を立てる土方←
「そりゃ重要だかr「よーし、そこに直れ日向。」
土方から殺気が溢れ出しているが、
今は相手している暇はない。←
そう言おうとしたが、
先にそれを言ったのは沖田だった。
「土方さん、今から日向が花魁として僕を堕としてくれるそうですよ?
面白そうなんで邪魔しないで下さい。」
本当に面白そうに笑みを浮かべる沖田に、
「(テメェ既に堕ちてるだろ。)」
と、幹部の皆が思ったのを
あたしは知らない。
「ふんっ、そんな余裕ぶっこいてんのも今のうちだ、沖田サンよぉ?
今に平助みたいに撃沈させてやる!」
そう言ってあたしは、
沖田の側へと向かい、腰を下ろした。
そして、この数日間、
見て真似てきた花魁の仕草で
酒を手にとる。
「うちは杏子いいます。沖田はん、
うちにお酌させて?」
「「「!?」」」
急に態度が変わったのに驚いたのか、
はたまた、
あたしの上目遣いが聞いたのか。
あたしが横に座った沖田は、
目を見開いて固まった。
ふっ、ちょろい←
沖田だけでなく、
他の幹部が固まったのには驚いたが←
「沖田はん?」
「!あ、うん。お願い。」
あたしが声を掛けると、
沖田は何処からか戻ってきた←
差し出されたお猪口に
とくとくと酒を注ぎながら様子を伺う。
今のは意外と効いたらしく、
沖田の頬はほんのり赤く染まっていた。
けれど、沖田は平静を保っている。
…平助みたいに撃沈した訳ではない。
…さらに、追い打ちをかけなければ←
あたしは、心の中で不敵に笑った。