新撰組と妖狐ちゃん!


「うぅー…あーつーいぃーー…」


日向は、手でパタパタと
顔を仰ぎながら言った。


…というか唸った←


完全に酔っ払ってる日向。
それを心配そうに見ている近藤さん達。
何故か期待に満ち溢れた目をした三馬鹿たち←


そして、


「日向、大丈夫?」


何かよからぬ事を考えているのが
だだ漏れな総司←


「…おい、総司。何するつもりだ。」


「え?日向の看病ですよー?」


俺が顔を引きつらせながら言うと、
こちらを振り向いて言った。


言葉だけじゃ分からないが、
顔を見れば一発で分かる。


…まぁ、要するに、
黒い笑みを浮かべてるわけだ←


が、そんな顔をした総司が側にやってきたにも関わらず、…というか、酔ってるから分からないだけなんだろうけど、


日向はガン無視←


そして、何か考え事をしていたのか、
ハッとした顔をすると、
フラフラとした足取りで
廊下へ出る襖の方へと歩き出した。


どうやら、涼みに行くようだ。


「おい、あんま動き回ると危ねぇぞ。」


そう言ったが、
聞こえてないのか、無視してるのか、
日向は「あつー…」と言いながら、
また襖へと歩いていった。


「ただでさえ重そうな着物を着てんのに、フラフラしてたら…」


こけるぞ。


そう続けようとした瞬間、


ビタンッ!


「「「!」」」


「ブッ(笑)」


着物の裾を踏んづけたのか、
日向が見事にずっこけた←


…ザマァねぇな←


俺は忠告したからな←


俺が心の中で鼻で笑っていると、
総司が日向の側に駆け寄り、


「着物、邪魔でしょ。
脱がしてあげようか?」


優しさという名の変態発言←


いつもなら怒鳴るとこだが、


「総司…逃げた方がいいぞ。」


俺は同情しながら言った。


何故なら、さっき、
傷を見るために「脱げ」と言ったら
全力で腕を捻られたからだ←


そして、日向のオーラが
ドス黒くなった気がしたから←


「何で逃げなきゃいけないんですか。
意味わかりません。」


思いっきり顔をしかめて言う総司の側で、ずっこけていた日向がゆっくりと身体を起こした。


ゆっくり動くあたりがなんか怖い←


これは終わったな。
御愁傷様。


と、
心の中で総司に手を合わせていると、


「…何だよ。」


何故か日向と目があった。


そして何故か、俺に向けられる
ドス黒いオーラ←


すると、日向は無言で
フラフラとした足取りでこちらへと向かってきた。


…何故だか分からないが…











…標的は俺らしい。







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