新撰組と妖狐ちゃん!


一体あたしは何をやらかしたんだよ…


いろいろと不安になっていると、
土方が話し始めた。


「まず…俺が話す前に、
お前が何処まで覚えてるか教えろよ。」


「あ"?めんどくさい。」


「わざわざ分かってるとこまで話すほうが面倒だろうが。」


それなら、
最初から話さなきゃいいと思うのは、
あたしだけだろうか←


あたしは顔を引きつらせながら
意識が飛ぶ前を思い出した。


「あー…、座敷に戻ってきてー、平助たちに呼ばれてー、花魁らしく振る舞えって言われてー、腹立ってー、沖田を堕とそうとしてー、…酒飲まされた。
…以上。」


あたしは、面倒なので、至ってシンプルに覚えている事を話した。


「ほら、話したんだから教えろよ。」


何故か沈黙する土方にそう言うと、
あたしをじっと見て、


「覚えてるのはそれだけか?」


そう聞いた。


「…そうだけど?」


…いや、嘘。


顔がどんどん赤くなるのが分かった。


『日向、好きだよ。』


本当は、頭の中で沖田の言葉が
何度もリピートされている←


あれが、
嘘なのか、本当なのか、
からかっているのか、
よく分からないけど、
ドキッとしたのは確かだ。


あたしが目を泳がせていると、
土方がはぁ…と溜息をつき、


「お前覚えてんだろ。総司の告白。」


ズイッと詰め寄ってきた。


「…っ…覚えてない。」


あたしが少し後ずさりしながら答えると、土方はニヤッと広角を上げた。


「…そうか。じゃあ、お前が総司に酒を飲まされたとこ辺りから話してやr「結構です!」」


…あ。


あたしは慌てて口を押さえたが、
出たものは出てしまったもので。←


「ほら、やっぱり覚えてんじゃねぇか。」


ふん、と鼻をならされた。


…は、


…はめられた…。


あたしははぁ…とうなだれた←

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