新撰組と妖狐ちゃん!
「あのなぁ!そういうのは好きな奴とかとするもんだろ!?あたしだって、色恋とか何とかするんだよ!誰でもいいとか思うなバーカ。テメェもそーいうのは好きな奴としろよ!」
…よく分からないけど。
という呟きは、
心の中に閉まっておこう←
「テメェ…好きな奴とか居た事ねぇだろ。←」
憐れみの目を向ける土方←
…。
「ソーデスヨ。だが、よく考えろ。
この話の設定をよくよく思い出せ。
あたしは、白狐だぞ←
人間じゃない、狐だ、キ・ツ・ネ!」
「人間と喋って、人間と生活してる時点で、ほぼ人間だろテメェ←」
…そーですけども。
「人間と狐じゃ、感情とか感性とか…とにかく!いろいろ違うんだよっ。だから、人間の考える事はよく分からない!」
うんうん、と頷きながら言うと、
土方が納得してないように、
ふーん、と言った。
「そこだけ白狐ぶって、話逸らしたいだけだろ←」
「違うっつーの!!」
白狐ぶるって何だよ!?
正真正銘、白狐なんですけど!?
すると、土方ははぁ…と溜息をつき、
「まぁ、テメェが人間をどう思うかは
テメェしだいだが…
…俺は狐は恋愛対象外じゃないって事は覚えとけ。」
「!?」
射抜くような目に、
不覚にもドキッとした事は秘密だ。
「…そ、そうか。何なら、あたしが山中駆け回って、いい狐探してやるよ。」
「はぁ?馬鹿にしてんのかテメェ。」
意味が分からないほど
あたしは馬鹿じゃない。
これが精一杯の照れ隠し。
一人ぼっちになって、
人間として生活し始めて、
こいつらに出会って、
本当は何となく分かっていた。
あたし達妖怪も感情は持ってるし、
それぞれいろんな思いを持っている。
もちろん、恋だってするんだ。
人間も妖怪も同じ。
違うのは見た目や力だけ。
こいつらと過ごしていると、
いとも簡単にいろんな感情が引き出されていく。
今まで感じた事が無かった、
このドキドキする気持ちも。
妖怪が人間にそんな気持ちを持っていいのかと、心の奥底で否定し続けてた。
けど、
そっちがその気なら、
あたしだって。