新撰組と妖狐ちゃん!


恋愛対象外じゃない、か…


何、あたし可能性あんの?


土方があたしを好き?


いや、対象外じゃないだけだよな?


沖田はストレートにきたけど、
こいつはうん、あれだ。


回りくどいな←


やっぱ意味分からないわ、うん。←


今度、本当に狐連れてきてやろうかな←


何て考えていると、
おい、と土方に呼ばれた。


「んだよ、今大事なとこなんだけど。」


「だから、回想されても分かんねぇよ!まだ回想するつもりなら、俺はもう寝るぜ。」


そうゴソゴソと寝る体制に入る土方を
ボーッと眺めていると、
ある事に気づいた。


「おい、土方。
…テメェ、結局あたしが何をやらかしたか喋んないのかよ。
仕返し受けただけじゃねぇか。」



あれだけ、聞けと言ってたくせに、
なんなんだ。


あたしが土方を睨むと、


「あー…。
お前が、酒飲んで酔った後、
お前が勝手にフラフラ歩いてずっこけたのを笑ったら、散々足蹴りいれられて、


…挙げ句の果てには、『疲れたから寝る。畳は痛いから膝枕しろ』とかいいだして、勝手に膝枕させたんだよ。」


…。



「…それ、テメェが笑ったのが悪くね?」


「あ"?俺が身体にどんだけダメージを食らったと思ってんだ。」


…いや、全く健康そうなんですが。


「あ"?あたしは精神的にいろいろダメージを受けたんですが。今までの会話で←」


すると、ふーん、と言った土方は、
ニヤリと笑った。


「…それが目的だ。」


…。


「な"!?」


こ、こいつ…!!


あたしは呑気に畳に寝そべる土方に
とてつもなく殺意を覚えた←


乙女の心を弄びやがって…!


あたしはズカズカと土方の側に行くと、
寝そべる土方に向かって、
思いっきり蹴りつけた←


が、これで何度目だろうか、
土方にこかされるのは。←


あたしの殺気に気づいたのか、
蹴ろうとした足をガシッと掴まれ、
あたしの身体は一気に畳へと落ちた←


「いった…!」


土方に反撃するべく、
体制を立て直そうとしたが、


「俺は眠たいんだよ。そろそろ寝ろ。
お前もまだ酒が抜けてねぇだろ。」


そのままガシッと肩を
畳に押し付けられた。


「お前のせいで、脳が素晴らしく活性化したんだけど。つーか、痛い。」


昼間の如く、
頭はスッキリ冴えてしまった←


あたしが仰向けになったまま、
天井を見上げていると、


「んな、眠れねぇのなら、
もっかい膝枕してやろうか?」


「結構です!」


隣で土方がニヤッと笑みを浮かべた気配がしたので、あたしは土方とは間反対の部屋の端まで、畳の上をゴロゴロと転がった。


反対側に残された土方が、
あんだけ気持ちよさそーに寝てたのにな、とククッと笑ったのは聞こえない聞こえない!


掴まれた足と肩が熱く感じるのは、
…きっと土方のせいだ。


何かあたし、
おかしくなりそう。


全部、全部、
土方のせいだこのヤロー!!!


自覚し始めた気持ちに
あたしは悶々としながら、
二度目の眠りに落ちた。

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