新撰組と妖狐ちゃん!


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「…。」


「おはよ、日向♫」


目を開けると目の前には
無駄にニコニコした沖田が
寝そべっていた。


…そんな幻が見えた気がしたので、
あたしは一回、目を閉じて
もう一度開いた。


「…。」


「そんな、明らかに嫌な顔されたら
さすがに傷つくよ?」


どうやら昨夜転がってきたところは、運悪く、大魔王が寝ていたとこだったらしい。


…何か最近、
まともな目覚め方してない。


二日酔いでガンガンする頭で
そう思いながら、
あたしはのそのそと起き上がった。


襖の隙間から漏れる光は
完璧に昼間のもので、
寝過ぎたかも…と、座敷を見渡すと、
皆、まだ夢の中のようだ。


あたしはまだ早い方らしい。


…というか、起きてんの、
あたしと沖田だけじゃん。


…いや、朝が早い山南さんとか、
斉藤とか、土方はこの部屋にいない。


もう起きてどっかいってんのかな?


あたしがボーッと座って考えてると、
後ろで沖田が起き上がる音がした。


そして、ねぇ、と呼ばれたので
後ろを振り向くと、


「…な、何。」


沖田が素晴らしく黒い笑みを
浮かべていた←


あたしが顔を引きつらせていると、
沖田があたしをじーっと見て言った。


「早く着替えないと食べちゃうよ?
朝ごはん。」


…。


「…は?別に着替えなくても食べれるだろ。まぁ、着替えるけどさ。」


何を言われるかと思ったら、
そんな事、とキョトンとしていると、
沖田がそうかぁー、と言い、


「じゃあ、早くしないと皆起きちゃうし、美味しそうだし、食べようかな。」


「…いや、どんだけ腹減ってんだよ。」


皆に食わせないくらい
食べるつもりかコイツ。


あたしがまた顔を引きつらせていると、
沖田はあたしの手を引き、


「それじゃ、いただきまーす☆」


そう言った。


「…いや、
朝ごはん此処に無いんですけど。」


辺りを見回しても、
食べ終わった皿や、
徳利やお猪口が散乱しているだけで、
食べれそうなものなんて全くない。


コイツ、まだ酔ってんのか??


あたしの手を引く沖田を
まじまじと見ると、
バチっと目があった。


「…あるじゃん、目の前に。」


…まじかい。


そう言った沖田の目は、
至って正常な腹黒大魔王の目でした←


ただ、目があったのは一瞬で、
次の瞬間には、


「いただきまーす☆」


「ちょ!?沖田!?」


カプ。


「いっ!?」


あたしの左肩をカプッと食べられた←


「…。」


…な、


…な、


「何を食べとんじゃー!!!」


「わっ!?」


とりあえず、沖田に右フック←

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