ちょーだい。


お母さんの言ってた あの人 ってのは、お母さんのオトコ。

毎日取っ替え引っ替え。



だからあたしは夜の街に行く。

行く場所なんてないから。



街に行ったってホームレスと一緒。

お金ないからホテルにも泊まれない。


『........ホテル代ぐらい出してよ.........』

ひとりごとのように呟いた。



夜の街になんて行ったら、体目的で声をかけてくる人ばっかり。

あたしは今まで絶対体を売らなかった。

お母さんと同じにはなりたくないから。



だけど、もう、捨てるんだ。全てを。

誰かに、必要とされたいから........


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