ちょーだい。
『なんとでも。』
そう言い残して、奏は脱衣所から出ていった。
本当、そーゆーとこだけ大人だと思う。
なんだかんだ、あたしは奏に流されてる。
主導権は奏。
それは、イヤなわけじゃないよ??
逆に、あたしは主導権を持てないから、うれしいくらいで。
あたしは選んで生きることはしてこなかったから。
ただ、そうするしかないから。
あたしの中の選択肢はいつも一つ。
ただ、だれの邪魔もしないように、欲を見せないで
愛を欲しがらないで、ひっそりと隠れてるだけ。
その他のことをしたこともないし、したくもない。
いや、できないかも??
結局、独りで生きてきても強くはなれないってことだよね。
たぶん、生きていくのに............
ううん。強くなるのに必要なのは“愛”だよ。