咆哮するは鋼鉄の火龍
本多の話をまとめると以下の通りであった。
世界崩壊後、地下に逃れていた人々は箱根と同様、地上に這い出し軍部が主体となり復興を目指していた。
方々に分散されていた人々はかつての中心都市「東京」を目指し集結していったが、一部の軍事勢力がそれらの全てを掌握しようとし、クーデターを起こす。
彼らは自らを「護国軍」と名乗っていた。
彼ら護国軍は東京から発せられる衛星放送をジャックし、武装兵器を牛耳った。
兵力的には本多が所属していた正規軍が勝っていたが、護国軍は占領した東京に巨大なバリケードを築き、その外にゴブリンを放した。
佐竹
「放したって?ゴブリンを作ったっていうのか?」
本多
「そうだ。 奴等は生きてる人間を改造したのさ、病原菌にも強く繁殖力に優れ、狂暴で野蛮な忌々しい悪魔を撒き散らしたんだ」
佐竹
「信じられん」
本多
「だが目の前にもいるぞ、俺は最適化の手術を受けた。
過去の遺産によって生物兵器になったのさ、その過程で生まれたのが奴らだ」
発電所の近郊にも時折出現していたこの人の死肉さえも漁り貪る醜いミュータントを人々はゴブリンと呼んだ。
抵抗軍はゴブリンを殲滅しながら護国軍の占拠する東京に迫ったが、弾薬と戦闘員の減少により撤退。
しかし撤退する時に彼らは、護国軍自体も繁殖し過ぎたゴブリンによって襲われているのを見たという。
本多は自分達が乗っていたバイクの機動力を生かして周辺のポリスに援軍を募る活動をしていたが上手くいかず、本陣壊滅の報を受け仲間と仲間の家族と共に今の東名ポリスへと撤退したという。
そこでは軍部の独裁が行われおり、本多達は戦闘部隊に配属されたという。
仲間を助けに行きたかったが、仲間の家族の保護と引き換えに東名の戦闘要員に下ったという。
その頃の東名は箱根の北部に発電所があることを知り、そこまでレールを敷いて交易を交わすと見せかけ一気に占領し、そして戦争が起こったという。
片倉
「じゃあそっちから仕掛けてきたってのは事実なんだな?」
本多
「ああ間違いない、俺は当事者だからな。
そして俺達は煙たがられた。
下手な正義心を持ち、反抗的だったからな、『人同士で物質を奪い合っている場合ではない』と何度も訴えたのさ。
それに壊滅した仲間も救いたかったんだ」
しかし本多達は前線に送られ、家族は発電所に強制的に収容されたという。
立花
「人質か?」
本多
「ああ人質同然だ。
移住なんてもんじゃない。
軍事施設に送られたんだ。
それにこちら側から侵略しておいて、お前等に発電所にいる家族だけは傷つけないでくれって言えんしな。
必死だったよ何度も攻めてくるお前等に対抗するだけで必死だっだんだ。
発電所が落とされたら家族はどちらにせよ奴隷になる、俺達が戦わなければ殺されると思って戦っていたんだ」
立花
「今の話で分かったよ、箱根は護国軍とも戦わず、ゴブリンともまともに戦争していないんだ。
我々の戦力がそちらより勝っているのは当然だ。
軍事上層部は隠してきたんだ。
他のポリスと通信を傍受して、観客席から静観してたんだろう。
少佐になって違和感は感じていたんだ。
箱根は秘密主義的な事が多いと思っていた。
黒田さんも出発する時、世界を見て来いって言ったのはこの事だったんだ」
佐竹
「だからのお目付け役なんですかね、事実を知った我々を監視する為の、どうします?
犯人探ししますか?」
立花
「いや、疑心暗鬼から生まれる不協和音は避けたい、それに今はどうする事もできないし作戦を継続するしかないでしょう」
本多
「どうやら信じてくれるようだな」
立花
「ああ、北の情勢だけでなくお前の身の上も信じよう。
だが、もしも裏切るつもりなら必ず殺す」
本多
「もう十分やられたよ、他の奴なら只の脅しに聞こえるが、あんたの場合はさっきの派手な戦い方で脅しじゃないとわかるさ。
実は既にこちらも家族の奪還作戦を計画していたんだ。
その後亡命する所をあんたらの都市の周辺で探していたのさ、
しかし作戦を決行するにもこの様だ。
十人以上の仲間が殺られてるしな」
立花
「それはお互い様だ。作戦は私が考える」
宇佐美
「立花少佐!終わりましたー」
立花
「おお宇佐美早いな、本多殿は休んでおいてくれ、二時間後に出発する。
佐竹、移動しながら作戦を立てる」
立花はそういうと片倉と鍋島に引き続き監視するように目線を送り、宇佐美と共に外へ出た。
宇佐美
「とりあえず簡単にですが出発時と同じように防げるだけの補強はしました。
でも警戒車の機銃はパーですね。
あとこれの充電も何とか終わらせました。
バイクの充電アダプターがバイクに積んであったんで助かりましたよ。
これ、うちのとは性能が段違いですね」
立花
「正規の軍事品だしな、速度は?」
宇佐美
「最高速は時速210kmあくまで最高速度ってだけでそこまでだしたら運転出来ないでしょうね、最高浮遊高度は2mで瞬間最大浮遊高度は約6mまでいきますよ。
今充電はフル満タンで、最高出力維持で約12時間走行可能です」
立花
「助かったよ宇佐美、ありがとう」
宇佐美
「そっそうですか?」
立花の笑顔に宇佐美は照れた。
そこにチキンヘッズがやって来た。
十河
「ちょ見て下さいよ」
赤松
「ちょちょまじで」
立花
「ああ?あー出来たのか?」
立花が車両に近づいて見ると主砲の砲身には金属製の龍が走り、砲口部分にもあしらわれていた。
立花
「おおおかっこいい」
立花は普通に気に入った。
十河
「でしょでしょ?」
宇佐美
「あーあ、親方怒りそー」
立花の立っている位置からは見えなかったが、元より書かれていた白く書かれた火龍の文字の反対側には「立花軍団」と書かれていたがそれは暫くして本人に見つかり消すように命じられた。
世界崩壊後、地下に逃れていた人々は箱根と同様、地上に這い出し軍部が主体となり復興を目指していた。
方々に分散されていた人々はかつての中心都市「東京」を目指し集結していったが、一部の軍事勢力がそれらの全てを掌握しようとし、クーデターを起こす。
彼らは自らを「護国軍」と名乗っていた。
彼ら護国軍は東京から発せられる衛星放送をジャックし、武装兵器を牛耳った。
兵力的には本多が所属していた正規軍が勝っていたが、護国軍は占領した東京に巨大なバリケードを築き、その外にゴブリンを放した。
佐竹
「放したって?ゴブリンを作ったっていうのか?」
本多
「そうだ。 奴等は生きてる人間を改造したのさ、病原菌にも強く繁殖力に優れ、狂暴で野蛮な忌々しい悪魔を撒き散らしたんだ」
佐竹
「信じられん」
本多
「だが目の前にもいるぞ、俺は最適化の手術を受けた。
過去の遺産によって生物兵器になったのさ、その過程で生まれたのが奴らだ」
発電所の近郊にも時折出現していたこの人の死肉さえも漁り貪る醜いミュータントを人々はゴブリンと呼んだ。
抵抗軍はゴブリンを殲滅しながら護国軍の占拠する東京に迫ったが、弾薬と戦闘員の減少により撤退。
しかし撤退する時に彼らは、護国軍自体も繁殖し過ぎたゴブリンによって襲われているのを見たという。
本多は自分達が乗っていたバイクの機動力を生かして周辺のポリスに援軍を募る活動をしていたが上手くいかず、本陣壊滅の報を受け仲間と仲間の家族と共に今の東名ポリスへと撤退したという。
そこでは軍部の独裁が行われおり、本多達は戦闘部隊に配属されたという。
仲間を助けに行きたかったが、仲間の家族の保護と引き換えに東名の戦闘要員に下ったという。
その頃の東名は箱根の北部に発電所があることを知り、そこまでレールを敷いて交易を交わすと見せかけ一気に占領し、そして戦争が起こったという。
片倉
「じゃあそっちから仕掛けてきたってのは事実なんだな?」
本多
「ああ間違いない、俺は当事者だからな。
そして俺達は煙たがられた。
下手な正義心を持ち、反抗的だったからな、『人同士で物質を奪い合っている場合ではない』と何度も訴えたのさ。
それに壊滅した仲間も救いたかったんだ」
しかし本多達は前線に送られ、家族は発電所に強制的に収容されたという。
立花
「人質か?」
本多
「ああ人質同然だ。
移住なんてもんじゃない。
軍事施設に送られたんだ。
それにこちら側から侵略しておいて、お前等に発電所にいる家族だけは傷つけないでくれって言えんしな。
必死だったよ何度も攻めてくるお前等に対抗するだけで必死だっだんだ。
発電所が落とされたら家族はどちらにせよ奴隷になる、俺達が戦わなければ殺されると思って戦っていたんだ」
立花
「今の話で分かったよ、箱根は護国軍とも戦わず、ゴブリンともまともに戦争していないんだ。
我々の戦力がそちらより勝っているのは当然だ。
軍事上層部は隠してきたんだ。
他のポリスと通信を傍受して、観客席から静観してたんだろう。
少佐になって違和感は感じていたんだ。
箱根は秘密主義的な事が多いと思っていた。
黒田さんも出発する時、世界を見て来いって言ったのはこの事だったんだ」
佐竹
「だからのお目付け役なんですかね、事実を知った我々を監視する為の、どうします?
犯人探ししますか?」
立花
「いや、疑心暗鬼から生まれる不協和音は避けたい、それに今はどうする事もできないし作戦を継続するしかないでしょう」
本多
「どうやら信じてくれるようだな」
立花
「ああ、北の情勢だけでなくお前の身の上も信じよう。
だが、もしも裏切るつもりなら必ず殺す」
本多
「もう十分やられたよ、他の奴なら只の脅しに聞こえるが、あんたの場合はさっきの派手な戦い方で脅しじゃないとわかるさ。
実は既にこちらも家族の奪還作戦を計画していたんだ。
その後亡命する所をあんたらの都市の周辺で探していたのさ、
しかし作戦を決行するにもこの様だ。
十人以上の仲間が殺られてるしな」
立花
「それはお互い様だ。作戦は私が考える」
宇佐美
「立花少佐!終わりましたー」
立花
「おお宇佐美早いな、本多殿は休んでおいてくれ、二時間後に出発する。
佐竹、移動しながら作戦を立てる」
立花はそういうと片倉と鍋島に引き続き監視するように目線を送り、宇佐美と共に外へ出た。
宇佐美
「とりあえず簡単にですが出発時と同じように防げるだけの補強はしました。
でも警戒車の機銃はパーですね。
あとこれの充電も何とか終わらせました。
バイクの充電アダプターがバイクに積んであったんで助かりましたよ。
これ、うちのとは性能が段違いですね」
立花
「正規の軍事品だしな、速度は?」
宇佐美
「最高速は時速210kmあくまで最高速度ってだけでそこまでだしたら運転出来ないでしょうね、最高浮遊高度は2mで瞬間最大浮遊高度は約6mまでいきますよ。
今充電はフル満タンで、最高出力維持で約12時間走行可能です」
立花
「助かったよ宇佐美、ありがとう」
宇佐美
「そっそうですか?」
立花の笑顔に宇佐美は照れた。
そこにチキンヘッズがやって来た。
十河
「ちょ見て下さいよ」
赤松
「ちょちょまじで」
立花
「ああ?あー出来たのか?」
立花が車両に近づいて見ると主砲の砲身には金属製の龍が走り、砲口部分にもあしらわれていた。
立花
「おおおかっこいい」
立花は普通に気に入った。
十河
「でしょでしょ?」
宇佐美
「あーあ、親方怒りそー」
立花の立っている位置からは見えなかったが、元より書かれていた白く書かれた火龍の文字の反対側には「立花軍団」と書かれていたがそれは暫くして本人に見つかり消すように命じられた。