咆哮するは鋼鉄の火龍
二日の間、本多と瀕死の重症をおった男はドクターの献身的な介抱でみるみる回復していった。
特に最適化されていた本多は凄まじい程の回復力を見せた。
どうやら自然治癒力も向上されているらしい。
投降して来た男達は立花の読み通り、箱根のすぐ北に視察に行っていたそうである。
そこで火龍を見て急ぎトラックに乗って引き返して来たそうである。
立花は自ら三人の部下を連れ、戦死者の捜索とトラックの回収に古戦場へと向かった。
三人の部下は全て歩兵部出身であった。
一人目は火龍では数少ない低身の女性で、歩兵部制圧課出身、電源車配属、島津上等兵、通称リトル
二人目は身長の高い歩兵部先遣課出身、警戒車配属、七条一等兵、通称ノッポ
最後は少し太めの歩兵部守衛課で火砲車配属の真壁一等兵、通称ファットの凸凹トリオであった。
この三人だけでなく、それぞれの三課はあらゆる戦場で連携を常としていた。
先遣課が偵察とスナイプで制圧課を援護し、制圧課は一気にエリアを奪い、守衛課は先遣課と制圧課の護衛とエリアの防衛を担い三位一体での行動を定石としていた。
立花
「悪いな、嫌な任務を押し付けてしまって、一番死体を間近にしている者を選んだんだ」
リトル
「我々に任せて少佐は車両にいて頂きたかったんですが」
三人のリーダーであるリトルが答えた。
立花
「私の作戦で殺したんだし、たまには初心に戻って嫌な仕事もしなければ…
それに初めに私がやっておいたら皆文句が言いずらいだろ?」
立花がいたずらっぽく笑うと、古戦場の谷間を人影が走った。
それに気付いたノッポが手信号を送り、リトルが更に手信号で二人に指示し即座に駆け出した。
ファットが立花の肩を抱き避難し、ノッポは岩に張り付くと64式の銃口を谷間に向けゴーサインをリトルに送った。
リトルは軽快にM9を構えつつ突撃し、暫くして乾いた銃声が谷間に木霊した。
リトル
「クリア!」
三人が声の方に向かっていくとリトルが大きなカバンを背負った男の頭に銃口を突き付け両手を挙げさせていた。
ファット
「どうしたおっさん?
なんか良い事でもあったか万歳なんかして」
ノッポ
「やめろファット、トレジャーハンターだ」
立花
「ははは、なんだトレジャーハンターかー!
本多の罠かミュータントかと思って焦ったよ」
立花の合図でリトルは銃口を頭から外した。
ハンター
「こっちも野盗かと思いましたよ、箱根の軍人さんですね?」
この世界には多くの遺跡が地下に眠っていた。
その古代の遺物を見つけては持ち帰り、各ポリスに売って世界を旅する者達がいた。
彼らはトレジャーハンターと呼ばれ、時に巨大な遺跡を発見したり、貴重な情報源を持っていたりしていたのだった。
立花
「キャラバンは?」
ハンター
「いや、一人でやる質でして、大勢だと目立つし分け前減るでしょ?」
立花
「がめついなー」
立花は彼らが好きだった。
珍しい物を持っている事もあるが、何にも縛られず自由である事に憧れを抱いていた。
ハンター
「私は茶屋と言います、ちょっと助けて欲しいんですが」
安全を確認したかの様に一匹の犬が駆け寄ってきた。
犬「ワンっ」
茶屋
「おお社長戻ってきたか」
立花
「社長?」
犬は茶屋にすり寄り立花達を見た。
茶屋
「犬の名前ですよ、一人旅は寂しくって、助けて欲しいのは実は、恥ずかしい話こいつを食おうとしてた所でして」
茶屋の話では、彼は西方の出身でトレジャーハンター達のキャラバンで育ったが、独り立ちし、方々を旅しているうちに気付かずに毒の街に近づいてしまったという。
毒の街はこの島国に何ヵ所かあり、巨大化した植物や突然変異した奇妙な生き物がいて、そこに足を踏み入れた者は見えない毒を体に浴び最悪死んでしまうという場所であった。
そこで茶屋はピンク色の丸い玉に足を生やした変な生物に追いかけられたいう。
立花
「なにそれ?」
茶屋
「私も知りませんよ、足は遅いんですけどひつこくって、それで逃げ続けてる内に迷ってしまって、なんとか撒いたんですが精根尽きて食料も尽きてしまって。
それで先に主人を見捨てて逃げたこいつを食ってやろーと思いましてね」
社長は嬉しそうにノッポに尻尾を振っていた。
ノッポは根負けして隠していたビスケットを犬にやった。
立花
「やっぱりハンターの話は面白いなー、また後で話を聞かせて貰えます?
そこの線路を北に少し向かえば野営地がありますから、私の許可があるって言って下さい、これを」
そういうと立花は腰からワルサーP99を引き抜き茶屋に渡した。
立花
「私の部隊でこれを持っているのは私だけですから、それにこの辺にはゴブリンっていう凶暴な生物もいますし」
茶屋
「やー下手に武器を持ってたら殺される可能性があるから持たないようにしてたんですけど今回で考え変わりましたよ、助かりました。
ではまた後で、社長!
参りましょうか?」
そういうと一人と楽しそうな一匹は去っていった。
立花
「よし、我々も行こう」
その時、茶屋が言っていた奇妙な生き物が出できてこちらを見ていた。
立花
「うお?なんだあれ?」
ファット
「きも可愛いな」
ノッポが残りのビスケットを投げるとそれに近づいてきたが、リトルは無言でそれを躊躇なく撃ち殺した。
リトル
「クリア」
立花
「え?」
ノッポ
「クリアじゃねーよ、可哀想だろ」
ファット
「ひでー」
特に最適化されていた本多は凄まじい程の回復力を見せた。
どうやら自然治癒力も向上されているらしい。
投降して来た男達は立花の読み通り、箱根のすぐ北に視察に行っていたそうである。
そこで火龍を見て急ぎトラックに乗って引き返して来たそうである。
立花は自ら三人の部下を連れ、戦死者の捜索とトラックの回収に古戦場へと向かった。
三人の部下は全て歩兵部出身であった。
一人目は火龍では数少ない低身の女性で、歩兵部制圧課出身、電源車配属、島津上等兵、通称リトル
二人目は身長の高い歩兵部先遣課出身、警戒車配属、七条一等兵、通称ノッポ
最後は少し太めの歩兵部守衛課で火砲車配属の真壁一等兵、通称ファットの凸凹トリオであった。
この三人だけでなく、それぞれの三課はあらゆる戦場で連携を常としていた。
先遣課が偵察とスナイプで制圧課を援護し、制圧課は一気にエリアを奪い、守衛課は先遣課と制圧課の護衛とエリアの防衛を担い三位一体での行動を定石としていた。
立花
「悪いな、嫌な任務を押し付けてしまって、一番死体を間近にしている者を選んだんだ」
リトル
「我々に任せて少佐は車両にいて頂きたかったんですが」
三人のリーダーであるリトルが答えた。
立花
「私の作戦で殺したんだし、たまには初心に戻って嫌な仕事もしなければ…
それに初めに私がやっておいたら皆文句が言いずらいだろ?」
立花がいたずらっぽく笑うと、古戦場の谷間を人影が走った。
それに気付いたノッポが手信号を送り、リトルが更に手信号で二人に指示し即座に駆け出した。
ファットが立花の肩を抱き避難し、ノッポは岩に張り付くと64式の銃口を谷間に向けゴーサインをリトルに送った。
リトルは軽快にM9を構えつつ突撃し、暫くして乾いた銃声が谷間に木霊した。
リトル
「クリア!」
三人が声の方に向かっていくとリトルが大きなカバンを背負った男の頭に銃口を突き付け両手を挙げさせていた。
ファット
「どうしたおっさん?
なんか良い事でもあったか万歳なんかして」
ノッポ
「やめろファット、トレジャーハンターだ」
立花
「ははは、なんだトレジャーハンターかー!
本多の罠かミュータントかと思って焦ったよ」
立花の合図でリトルは銃口を頭から外した。
ハンター
「こっちも野盗かと思いましたよ、箱根の軍人さんですね?」
この世界には多くの遺跡が地下に眠っていた。
その古代の遺物を見つけては持ち帰り、各ポリスに売って世界を旅する者達がいた。
彼らはトレジャーハンターと呼ばれ、時に巨大な遺跡を発見したり、貴重な情報源を持っていたりしていたのだった。
立花
「キャラバンは?」
ハンター
「いや、一人でやる質でして、大勢だと目立つし分け前減るでしょ?」
立花
「がめついなー」
立花は彼らが好きだった。
珍しい物を持っている事もあるが、何にも縛られず自由である事に憧れを抱いていた。
ハンター
「私は茶屋と言います、ちょっと助けて欲しいんですが」
安全を確認したかの様に一匹の犬が駆け寄ってきた。
犬「ワンっ」
茶屋
「おお社長戻ってきたか」
立花
「社長?」
犬は茶屋にすり寄り立花達を見た。
茶屋
「犬の名前ですよ、一人旅は寂しくって、助けて欲しいのは実は、恥ずかしい話こいつを食おうとしてた所でして」
茶屋の話では、彼は西方の出身でトレジャーハンター達のキャラバンで育ったが、独り立ちし、方々を旅しているうちに気付かずに毒の街に近づいてしまったという。
毒の街はこの島国に何ヵ所かあり、巨大化した植物や突然変異した奇妙な生き物がいて、そこに足を踏み入れた者は見えない毒を体に浴び最悪死んでしまうという場所であった。
そこで茶屋はピンク色の丸い玉に足を生やした変な生物に追いかけられたいう。
立花
「なにそれ?」
茶屋
「私も知りませんよ、足は遅いんですけどひつこくって、それで逃げ続けてる内に迷ってしまって、なんとか撒いたんですが精根尽きて食料も尽きてしまって。
それで先に主人を見捨てて逃げたこいつを食ってやろーと思いましてね」
社長は嬉しそうにノッポに尻尾を振っていた。
ノッポは根負けして隠していたビスケットを犬にやった。
立花
「やっぱりハンターの話は面白いなー、また後で話を聞かせて貰えます?
そこの線路を北に少し向かえば野営地がありますから、私の許可があるって言って下さい、これを」
そういうと立花は腰からワルサーP99を引き抜き茶屋に渡した。
立花
「私の部隊でこれを持っているのは私だけですから、それにこの辺にはゴブリンっていう凶暴な生物もいますし」
茶屋
「やー下手に武器を持ってたら殺される可能性があるから持たないようにしてたんですけど今回で考え変わりましたよ、助かりました。
ではまた後で、社長!
参りましょうか?」
そういうと一人と楽しそうな一匹は去っていった。
立花
「よし、我々も行こう」
その時、茶屋が言っていた奇妙な生き物が出できてこちらを見ていた。
立花
「うお?なんだあれ?」
ファット
「きも可愛いな」
ノッポが残りのビスケットを投げるとそれに近づいてきたが、リトルは無言でそれを躊躇なく撃ち殺した。
リトル
「クリア」
立花
「え?」
ノッポ
「クリアじゃねーよ、可哀想だろ」
ファット
「ひでー」