咆哮するは鋼鉄の火龍
其々が思い思いの休日を過ごしていた。
多くの者が夜遅くまで騒いでいたので昼頃まで寝ている者が大半だった。
立花は本多の所に向かい一連の説明をすると履歴書を渡し階級を兵士長とした。
横ではドクターが診療中の看板を出し、すすじいと茶を飲み将棋を打ってる。
診療小屋を出ると小屋のひさしの前でリトル、ノッポ、ファットの凸凹トリオが何やら作業をしていた。
リトルの指示で二人はピストルの弾丸先端に切り込みを入れていた。
何でも殺傷能力が上がるらしい。二人はせっかく休みなのにと不満を洩らしていた。
当の本人は仕掛けナイフを製作していた。
二段に重ねた内側螺旋構造の柄の仕掛けで、刃が相手に刺さってさらに押し込むと刃が回転するという物で、刺して抉るという動作を省く事が出来ると誇らしげに立花に見せた。
螺旋と刃を捻るのが難しかったらしい、立花は捕虜の重要性を説き去って行くと、後ろでドクターが診療所の前でおぞましい物を作るなと怒っているのが聞こえた。
鍋島は火龍の影で詩集を読んで一人頷いていたので、立花は邪魔をしたら悪いと思いそのまま立ち去った。
少し離れた場所で片倉がお尻をだし太陽の光を当てていた。
痔にいいとの事らしいが、どうもドクターに騙されているらしい。
片倉に向かい赤松が「ヒャヒャヒャ」と笑いながら片倉に小石を投げている。
片倉はやめろといいながら少し楽しそうだった。
二人が仲良くなっている事にも少し驚いた。
今回天才肌と皆に知らしめた赤松の上官の十河は、賭博場を開き、ドラム缶風呂を作り、床屋まで開業していたが、賭博場ではイカサマが発覚し、ドラム缶風呂も石炭を盗んだ為廃業命令が下され、床屋はみんな泣きながらモヒカンになって出てくるので客足は悪かった。
コックは料理をせず、いつも辛いと文句を言っていた佐竹に作らせていた。
佐竹も箱根で休んだ分を取り返すように働いていた。
宇佐美は鼻歌を歌いながら器用に左手で自分の右腕の整備に勤しみ、立花に聞かれたのを恥ずかしそうに笑って誤魔化した。
乗組員の中でも一番若く新米の織田二等兵の元にやって来た立花は、織田を機関長補佐に命じた。
覚える事が多くスパイ活動をする暇を少しでも与えないようにするのが目的の一つであった。
次期機関長であると伝えたら、織田は喜んで引き受けた。
全ての乗組員を見て回った立花は皆と親しくはしたかったが、指揮官の立場上少し壁を感じ、自ら警戒任務に当たっていた。
吹き抜ける風は生暖かく、前面に広がる荒野は立花の孤独感を煽っていた。
そこにドクターがバインダー片手にやって来て健康チェックを行った。
睡眠不足だからと、ビタミン剤を渡された。
次にすすじいが織田の礼にと自前のコーヒーを差し入れてくれた。
こんなに旨いコーヒーは久しぶりで、心が安らいだ。
その後リトルが制圧作戦中に後ろから死んだと思った兵士に背中を撃たれた話をし、とどめの重要性を述べた。
立花は納得し捕虜にとるかどうかの判断を任せるように言った。
その後トリオの二人が来てリトルと同じ話しをした。
なんだかんだ言って二人はリトルの良い部下である。
片倉が刺激物は痔に悪いからコックに刺激物は控えるように言ってくれと頼みに来た後、鍋島が赤松の首根っこを捕まえ火龍に石を投げるのをやめさせるように説教させに来た。
宇佐美は壊れて転がっていた音楽プレイヤーを修理し、警戒任務は寂しいだろうからと立花に渡し二人は音楽を聞きながら火龍の改造案を話し合った。
十河が来たので残念そうに宇佐美が去り、立花軍団の文字の代わりを一緒に考えて欲しいと十河が相談しに来て、龍のマークを新たに考えて描く事になった。
最後に佐竹が料理を運んで来た。
佐竹
「どうですか?結構人気ですよ」
立花
「うん、旨いです」
佐竹
「でしょう?辛くないし、しかし忙しい休日でしたね」
立花
「ええ、休養にもならなかったですよ」
立花は嬉しそうに言ったが直ぐに暗い顔をした。
佐竹は気持ちを汲み取り「大丈夫」と言った。
佐竹
「良い奴等ですね。
彼らにつらい任務をさせる時は私から伝えますから、一応先輩ですしね」
立花
「そうならないように考えを尽くします」
その時トレジャーハンターの茶屋から買った酒を飲み、酔っ払った赤松が主砲発射警戒ランプを連打していた為、ハッチや扉から赤い光が漏れて火事だと思った乗組員達が大騒ぎしていた。
赤松は鍋島から逃げ回り、みんなも酔っぱらい笑ってそれを見ていた。
佐竹
「特にあいつの時は絶対俺から言わせて下さい」
立花
「そうなるように考えますよ」
さっきよりも暗くなった荒野は寂しかったが、先ほどの孤独は背中の騒音で消えていた。
多くの者が夜遅くまで騒いでいたので昼頃まで寝ている者が大半だった。
立花は本多の所に向かい一連の説明をすると履歴書を渡し階級を兵士長とした。
横ではドクターが診療中の看板を出し、すすじいと茶を飲み将棋を打ってる。
診療小屋を出ると小屋のひさしの前でリトル、ノッポ、ファットの凸凹トリオが何やら作業をしていた。
リトルの指示で二人はピストルの弾丸先端に切り込みを入れていた。
何でも殺傷能力が上がるらしい。二人はせっかく休みなのにと不満を洩らしていた。
当の本人は仕掛けナイフを製作していた。
二段に重ねた内側螺旋構造の柄の仕掛けで、刃が相手に刺さってさらに押し込むと刃が回転するという物で、刺して抉るという動作を省く事が出来ると誇らしげに立花に見せた。
螺旋と刃を捻るのが難しかったらしい、立花は捕虜の重要性を説き去って行くと、後ろでドクターが診療所の前でおぞましい物を作るなと怒っているのが聞こえた。
鍋島は火龍の影で詩集を読んで一人頷いていたので、立花は邪魔をしたら悪いと思いそのまま立ち去った。
少し離れた場所で片倉がお尻をだし太陽の光を当てていた。
痔にいいとの事らしいが、どうもドクターに騙されているらしい。
片倉に向かい赤松が「ヒャヒャヒャ」と笑いながら片倉に小石を投げている。
片倉はやめろといいながら少し楽しそうだった。
二人が仲良くなっている事にも少し驚いた。
今回天才肌と皆に知らしめた赤松の上官の十河は、賭博場を開き、ドラム缶風呂を作り、床屋まで開業していたが、賭博場ではイカサマが発覚し、ドラム缶風呂も石炭を盗んだ為廃業命令が下され、床屋はみんな泣きながらモヒカンになって出てくるので客足は悪かった。
コックは料理をせず、いつも辛いと文句を言っていた佐竹に作らせていた。
佐竹も箱根で休んだ分を取り返すように働いていた。
宇佐美は鼻歌を歌いながら器用に左手で自分の右腕の整備に勤しみ、立花に聞かれたのを恥ずかしそうに笑って誤魔化した。
乗組員の中でも一番若く新米の織田二等兵の元にやって来た立花は、織田を機関長補佐に命じた。
覚える事が多くスパイ活動をする暇を少しでも与えないようにするのが目的の一つであった。
次期機関長であると伝えたら、織田は喜んで引き受けた。
全ての乗組員を見て回った立花は皆と親しくはしたかったが、指揮官の立場上少し壁を感じ、自ら警戒任務に当たっていた。
吹き抜ける風は生暖かく、前面に広がる荒野は立花の孤独感を煽っていた。
そこにドクターがバインダー片手にやって来て健康チェックを行った。
睡眠不足だからと、ビタミン剤を渡された。
次にすすじいが織田の礼にと自前のコーヒーを差し入れてくれた。
こんなに旨いコーヒーは久しぶりで、心が安らいだ。
その後リトルが制圧作戦中に後ろから死んだと思った兵士に背中を撃たれた話をし、とどめの重要性を述べた。
立花は納得し捕虜にとるかどうかの判断を任せるように言った。
その後トリオの二人が来てリトルと同じ話しをした。
なんだかんだ言って二人はリトルの良い部下である。
片倉が刺激物は痔に悪いからコックに刺激物は控えるように言ってくれと頼みに来た後、鍋島が赤松の首根っこを捕まえ火龍に石を投げるのをやめさせるように説教させに来た。
宇佐美は壊れて転がっていた音楽プレイヤーを修理し、警戒任務は寂しいだろうからと立花に渡し二人は音楽を聞きながら火龍の改造案を話し合った。
十河が来たので残念そうに宇佐美が去り、立花軍団の文字の代わりを一緒に考えて欲しいと十河が相談しに来て、龍のマークを新たに考えて描く事になった。
最後に佐竹が料理を運んで来た。
佐竹
「どうですか?結構人気ですよ」
立花
「うん、旨いです」
佐竹
「でしょう?辛くないし、しかし忙しい休日でしたね」
立花
「ええ、休養にもならなかったですよ」
立花は嬉しそうに言ったが直ぐに暗い顔をした。
佐竹は気持ちを汲み取り「大丈夫」と言った。
佐竹
「良い奴等ですね。
彼らにつらい任務をさせる時は私から伝えますから、一応先輩ですしね」
立花
「そうならないように考えを尽くします」
その時トレジャーハンターの茶屋から買った酒を飲み、酔っ払った赤松が主砲発射警戒ランプを連打していた為、ハッチや扉から赤い光が漏れて火事だと思った乗組員達が大騒ぎしていた。
赤松は鍋島から逃げ回り、みんなも酔っぱらい笑ってそれを見ていた。
佐竹
「特にあいつの時は絶対俺から言わせて下さい」
立花
「そうなるように考えますよ」
さっきよりも暗くなった荒野は寂しかったが、先ほどの孤独は背中の騒音で消えていた。