咆哮するは鋼鉄の火龍
会議が終わり通路では榊原が黒田を呼び止めた。
榊原
「水くせえじゃねーか、何で黙ってた?」
黒田
「他の幹部を丸め込むのに苦労してまして、榊原さんはこっちサイドだと思ったんでいらない心配をかけないでおこうと」
榊原
「こっちだって準備があるだろうが」
黒田
「それで思い出しましたよ、今開発中の兵器どうです?」
榊原
「話をすり替えてんじゃねーよ、もうあがるよ、持ってけ」
黒田
「これで彼等はちょっとは助かるでしょうね」
榊原
「そんな事よりもだ。
あいつらを使い捨てるつもりじゃねーだろうな?
いくら火龍が強くとも一ポリス相手に喧嘩するだけの馬力はねーぞ」
黒田
「信用してるんですよ、必ずやってくれるって。
彼らが負けたら私だって危ういんですから」
榊原
「それは立場の問題だろう?
あいつらは命張ってんだ。
もしあいつらを裏切るような事をしたらお前だろうと俺は恨むぜ?」
黒田
「だからと言って甘やかす真似は出来ませんけどね。
彼等は確かに危なっかしいですが、我々が思っている以上に優秀ですよ。
もうちょっと私も彼等を信用して下さいよ」
榊原
「無理だな、だがお前が頭が良いのは認めてやる。
俺は最後まで現場で働く奴の味方だ。
そうじゃなきゃこんな腐った上層部に使われる前線の奴等が浮かばれねー」
榊原は作業の為に早足で去って行った。
黒田が自分の部屋に戻ると、森がコーヒーを入れて待っていた。
森
「はいっミルク少なめ砂糖無し下剤入りでしたね」
黒田
「おお、ありがとう、さらっと怖い事ゆーね」
森
「冗談ですよ、どうでした出来レースは?」
黒田はコーヒーを啜りながら答えた。
黒田
「上々、しかし後で榊原さんに脅されたよ、今度からは真っ先に連絡入れよー」
森
「歩く治外法権ですからね」
黒田
「あの人だけは未だに恐いよ」
森
「地で任侠やってますもんね、いい人だとは分かるんですけどね」
黒田
「まー大方の票を獲得出来たし、例外除けばもう大体俺の天下だな」
森
「汚い手も結構使いましたしねー」
黒田
「森君、戦争で大事なのは如何に手を汚さず綺麗に仕事をするかでは無く、どれだけ手を汚く汚してもその血を洗い流すだけの戦果を上げる事の方が重要なんだよ」
森
「どれだけ着飾っても流させた血と事実は消えませんよ。
以前の私のような内部調査員がいる限りは。
あと黒田の黒は、腹黒の黒って誰かが言ってました」
黒田「お前だろ?
これが今回反対した奴のリストだ」
黒田は会議中に戦争に反発を示した者を書き留めていた。
森
「じゃあ内部調査部に回しときますね、ん?斎藤大佐の名前が無いですね?」
黒田
「彼はいい意味でも悪い意味でも根っからの軍人なんでな、戦争大賛成派なんだよ」
森
「朱達磨(あかだるま)でしたね彼の部隊」
黒田
「ああ強いよアレは、これで立花も制圧戦が多少楽になるだろうさ」
森
「結局頭の切れる黒田部長って何が目的なんですか?
独裁ですか?」
黒田
「別に頭の切れるヤツが全て私腹を肥やす為に動く訳じゃないさ、それじゃ世界は回らないよ。
損してでも正義をかざす奴が必要なのさ。
それに形だけの疲弊しきった民主主義よりは名君の独裁の方がまだましだろ?」
森
「ダークヒーローですか」
黒田
「ヒーローは立花さ、俺は只の腹黒ハンサム中年だよ」
森
「ハンサム?
まあ後世の歴史家が目の悪い人だといいですね、脅しましょうか?」
黒田
「うるさいよ」
森
「しかし前線の問題は次からですね」
黒田
「まーね、本多が嫁いでくれたし、捕虜の情報もあるから多少は情報があるだろう。
人や武器も益々充実させるけど勝てるかは別だしな」
森
「でも珍しく信用してるんでしょ」
黒田
「心外だなー森君の事もちゃんと信用してるさ、アハハハ」
森
「僕だって部長を信用してますよアハハハ」
黒田
「どーだか、アハハはーあ」
榊原
「水くせえじゃねーか、何で黙ってた?」
黒田
「他の幹部を丸め込むのに苦労してまして、榊原さんはこっちサイドだと思ったんでいらない心配をかけないでおこうと」
榊原
「こっちだって準備があるだろうが」
黒田
「それで思い出しましたよ、今開発中の兵器どうです?」
榊原
「話をすり替えてんじゃねーよ、もうあがるよ、持ってけ」
黒田
「これで彼等はちょっとは助かるでしょうね」
榊原
「そんな事よりもだ。
あいつらを使い捨てるつもりじゃねーだろうな?
いくら火龍が強くとも一ポリス相手に喧嘩するだけの馬力はねーぞ」
黒田
「信用してるんですよ、必ずやってくれるって。
彼らが負けたら私だって危ういんですから」
榊原
「それは立場の問題だろう?
あいつらは命張ってんだ。
もしあいつらを裏切るような事をしたらお前だろうと俺は恨むぜ?」
黒田
「だからと言って甘やかす真似は出来ませんけどね。
彼等は確かに危なっかしいですが、我々が思っている以上に優秀ですよ。
もうちょっと私も彼等を信用して下さいよ」
榊原
「無理だな、だがお前が頭が良いのは認めてやる。
俺は最後まで現場で働く奴の味方だ。
そうじゃなきゃこんな腐った上層部に使われる前線の奴等が浮かばれねー」
榊原は作業の為に早足で去って行った。
黒田が自分の部屋に戻ると、森がコーヒーを入れて待っていた。
森
「はいっミルク少なめ砂糖無し下剤入りでしたね」
黒田
「おお、ありがとう、さらっと怖い事ゆーね」
森
「冗談ですよ、どうでした出来レースは?」
黒田はコーヒーを啜りながら答えた。
黒田
「上々、しかし後で榊原さんに脅されたよ、今度からは真っ先に連絡入れよー」
森
「歩く治外法権ですからね」
黒田
「あの人だけは未だに恐いよ」
森
「地で任侠やってますもんね、いい人だとは分かるんですけどね」
黒田
「まー大方の票を獲得出来たし、例外除けばもう大体俺の天下だな」
森
「汚い手も結構使いましたしねー」
黒田
「森君、戦争で大事なのは如何に手を汚さず綺麗に仕事をするかでは無く、どれだけ手を汚く汚してもその血を洗い流すだけの戦果を上げる事の方が重要なんだよ」
森
「どれだけ着飾っても流させた血と事実は消えませんよ。
以前の私のような内部調査員がいる限りは。
あと黒田の黒は、腹黒の黒って誰かが言ってました」
黒田「お前だろ?
これが今回反対した奴のリストだ」
黒田は会議中に戦争に反発を示した者を書き留めていた。
森
「じゃあ内部調査部に回しときますね、ん?斎藤大佐の名前が無いですね?」
黒田
「彼はいい意味でも悪い意味でも根っからの軍人なんでな、戦争大賛成派なんだよ」
森
「朱達磨(あかだるま)でしたね彼の部隊」
黒田
「ああ強いよアレは、これで立花も制圧戦が多少楽になるだろうさ」
森
「結局頭の切れる黒田部長って何が目的なんですか?
独裁ですか?」
黒田
「別に頭の切れるヤツが全て私腹を肥やす為に動く訳じゃないさ、それじゃ世界は回らないよ。
損してでも正義をかざす奴が必要なのさ。
それに形だけの疲弊しきった民主主義よりは名君の独裁の方がまだましだろ?」
森
「ダークヒーローですか」
黒田
「ヒーローは立花さ、俺は只の腹黒ハンサム中年だよ」
森
「ハンサム?
まあ後世の歴史家が目の悪い人だといいですね、脅しましょうか?」
黒田
「うるさいよ」
森
「しかし前線の問題は次からですね」
黒田
「まーね、本多が嫁いでくれたし、捕虜の情報もあるから多少は情報があるだろう。
人や武器も益々充実させるけど勝てるかは別だしな」
森
「でも珍しく信用してるんでしょ」
黒田
「心外だなー森君の事もちゃんと信用してるさ、アハハハ」
森
「僕だって部長を信用してますよアハハハ」
黒田
「どーだか、アハハはーあ」