咆哮するは鋼鉄の火龍
赤松は連結を切り離し、手動ブレーキを掛けた後、急ぎ主砲砲台に戻って十河の合図を待っていた。
十河
「いいぞ、いいぞ餌に食いついた」
十河はナイフで主砲にかけられていたシートの紐を次々に切り、風がシートを飛ばした。
十河
「狙うは敵要塞の横腹の只一点、赤松砲身移動左、左」
先を走る火龍を追いかけ巨大な要塞が砲撃を繰り返しながら徐々に回転していく。
この移動要塞は世界崩壊の要因を食い止めるべく作られた防衛兵器である。
通常は何台もの要塞を連ねて防衛線を築くか、都市を囲み城壁として使用する物であった。
その為全面は強固な装甲があてがわれ、前面下に三門、上部二門の主砲が備え付けられ火力と守備力は凄まじい物であった。
しかし単体で使用する場合欠点があった。
それは連結させて使用する事を前提に作られた為、側面は装甲をが薄くなっていたのだ。
偵察隊から隔壁扉が下部と上部にあると報告を受けた立花は憶測ではあったがそれを他の要塞と繋ぐ為の連絡通路だと考え、上記の弱点を薄々感じていた。
そして、いつかくるであろう対装甲兵器戦の為に榊原に特注した徹甲弾を持ってすれば、側面ならば撃ち抜けると考えたのだった。
さらに前面に比べ面積が少ない的をチキンヘッズなら容易に撃ち抜けると信じていた。
そして要塞の回転より早く線路を駆け抜けて側面を狙うよりも、失敗すれば損害が大きくなるが側面をつける可能性が高い主砲車両を切り離す作戦を選んだのだった。
十河
「おっしゃそろそろ来るぞ」
赤松は弾頭にドクロを描かれた特殊砲弾にキスし充填した。
赤松
「OKす」
十河
「カウント、5,4、3ー2、1、撃て!」
特別に作られた徹甲弾は要塞の側面下部に直撃し、装甲を貫通し直後爆発を起こした。
敵の動力源にまで被害を及ぼし回転を遅めた。
十河
「次弾急ぐぞ」
二人は凄まじい連携で弾を込め、十河は上部ハッチに駆け上がった。
十河
「ちょい上、ちょい上、おしっすぐ撃て」
二発目も直撃し要塞は完全に動きを止めた。
十河
「勝機だ赤松、撃ちまくるぞ」
赤松
「アイアイサー」
主砲車両から怒涛の砲撃が行われ次々に要塞側面から崩壊していった。
本多
「止め止め、打ち方止め!」
バイクから降りた本多は主砲車両に飛び降乗ってふたりを制した。
本多
「あれは後で使うんだからあんまり壊すなよ!」
十河
「緊張してたけどうまくいって良かったぜ」
息を切らせた二人が座り込んだ。
敵兵が迫ってくるのがわかった十河は火傷だらけの腕を振った。
改造された主砲は砲弾の充填が二人係りで迅速に出来るように改良されていたが、その分砲撃手へのリスクが高まっていたのだ。
十河
「後は頼むぜ」
赤松
「座して待つ!」
汗だくになり焼け焦げだらけのタンクトップ、硝煙で咳き込むボロボロの二人を見て本多は熱くなった。
普段の態度からは見て取れない命知らずの果敢な戦士がそこにいた。
本多
「チキンじゃなかったな。
任せろ、今度は俺が見せてやる。
お前羅は寝とけ」
本多はそういうと主砲車両の一層に詰め込まれた朱色の部隊を率いて外に出た。
本多
「やれやれ、制圧部隊が防衛部隊になっちまったな」
島津
「向かってくる奴等は学習能力がないのか?
折角朱色に塗ってるのに我々が見えないらしい」
本多
「銃弾を惜しまず奴等をもてなそう、行くぞ」
本多に率いられた部隊は横一線に並び射撃を行いながら敵の包囲網に進んで行った。
東名兵士
「前方に朱達磨!朱達磨がいるぞ!」
要塞指揮官
「くそったれが!
数で押しきれ、何人いると思ってる!
突撃しろ、前から救援車両が来る前にあれを乗っ取れ」
東名兵士の銃弾はシールドに弾かれ、本多の部隊は的確に敵を捉え戦場は混線になっていた。
弾切れになった朱達磨達は敵の武器を拾い応戦したが数に押され、シールドで円陣を組み耐えた。
本多
「どうした島津?
息巻いてた割には苦戦してるじゃないか?」
本多は怒声を上げ装甲に任せて大型ナイフとククリナイフを抜き敵陣に突撃した。
、模擬戦に参加していなかった朱達磨に力を示し、シールドも構えず、防弾メットも着けず突撃して行く本多に島津は心服した。
島津
「凄まじい胆力…
隊長殿を援護する、お前とお前来い!」
次々に敵を切りつけて行く本多に続き、少しずつ島津も進みだした頃、本多は既に指揮官の所まで辿り着いていた。
本多は護衛のヘッドショットを手甲で弾きナイフを飛ばし首を跳ねた。
本多
「前に出すぎたな?」
要塞指揮官
「貴様には言われたくない。
装甲列車に装甲歩兵とは、少しずるいんじゃないか?」
本多
「キャノンキャニオンに空飛ぶ兵器、移動する要塞持っててよく言うぜ、降服しろ。
皆殺しにするぞ」
要塞指揮官
「壊れた要塞なんぞくれてやる、俺の首とな!」
指揮官が銃に手を伸ばした瞬間、島津の放った銃弾が指揮官を吹き飛ばした。
本多
「殺すなよ、殴り飛ばして捉えるつもりだったのに」
島津
「出過ぎた真似をしました。すいません」
本多
「なんだー?やけに素直だな」
島津
「いや、男気に惚れました」
本多
「やめてくれ、そんな趣味は無い」
島津
「そういう意味ではないんですが」
近くから敵の車両部隊を蹴散らして救出に来た火龍の汽笛が聞こえた。
指揮官を失い無秩序な突撃を行っていた要塞守備兵は駆けつけた火龍の銃撃の餌食になった。
本多
「勝ったな!着いてこい車両に戻るぞ、あと妹をくれ」
島津
「はっどうぞどうぞ」
本多
「冗談だ。あんなじゃじゃ馬はいらん」
敵兵は要塞に逃げ戻り立てこもったが、主砲の再射撃で白旗を揚げる事になった。
十河
「いいぞ、いいぞ餌に食いついた」
十河はナイフで主砲にかけられていたシートの紐を次々に切り、風がシートを飛ばした。
十河
「狙うは敵要塞の横腹の只一点、赤松砲身移動左、左」
先を走る火龍を追いかけ巨大な要塞が砲撃を繰り返しながら徐々に回転していく。
この移動要塞は世界崩壊の要因を食い止めるべく作られた防衛兵器である。
通常は何台もの要塞を連ねて防衛線を築くか、都市を囲み城壁として使用する物であった。
その為全面は強固な装甲があてがわれ、前面下に三門、上部二門の主砲が備え付けられ火力と守備力は凄まじい物であった。
しかし単体で使用する場合欠点があった。
それは連結させて使用する事を前提に作られた為、側面は装甲をが薄くなっていたのだ。
偵察隊から隔壁扉が下部と上部にあると報告を受けた立花は憶測ではあったがそれを他の要塞と繋ぐ為の連絡通路だと考え、上記の弱点を薄々感じていた。
そして、いつかくるであろう対装甲兵器戦の為に榊原に特注した徹甲弾を持ってすれば、側面ならば撃ち抜けると考えたのだった。
さらに前面に比べ面積が少ない的をチキンヘッズなら容易に撃ち抜けると信じていた。
そして要塞の回転より早く線路を駆け抜けて側面を狙うよりも、失敗すれば損害が大きくなるが側面をつける可能性が高い主砲車両を切り離す作戦を選んだのだった。
十河
「おっしゃそろそろ来るぞ」
赤松は弾頭にドクロを描かれた特殊砲弾にキスし充填した。
赤松
「OKす」
十河
「カウント、5,4、3ー2、1、撃て!」
特別に作られた徹甲弾は要塞の側面下部に直撃し、装甲を貫通し直後爆発を起こした。
敵の動力源にまで被害を及ぼし回転を遅めた。
十河
「次弾急ぐぞ」
二人は凄まじい連携で弾を込め、十河は上部ハッチに駆け上がった。
十河
「ちょい上、ちょい上、おしっすぐ撃て」
二発目も直撃し要塞は完全に動きを止めた。
十河
「勝機だ赤松、撃ちまくるぞ」
赤松
「アイアイサー」
主砲車両から怒涛の砲撃が行われ次々に要塞側面から崩壊していった。
本多
「止め止め、打ち方止め!」
バイクから降りた本多は主砲車両に飛び降乗ってふたりを制した。
本多
「あれは後で使うんだからあんまり壊すなよ!」
十河
「緊張してたけどうまくいって良かったぜ」
息を切らせた二人が座り込んだ。
敵兵が迫ってくるのがわかった十河は火傷だらけの腕を振った。
改造された主砲は砲弾の充填が二人係りで迅速に出来るように改良されていたが、その分砲撃手へのリスクが高まっていたのだ。
十河
「後は頼むぜ」
赤松
「座して待つ!」
汗だくになり焼け焦げだらけのタンクトップ、硝煙で咳き込むボロボロの二人を見て本多は熱くなった。
普段の態度からは見て取れない命知らずの果敢な戦士がそこにいた。
本多
「チキンじゃなかったな。
任せろ、今度は俺が見せてやる。
お前羅は寝とけ」
本多はそういうと主砲車両の一層に詰め込まれた朱色の部隊を率いて外に出た。
本多
「やれやれ、制圧部隊が防衛部隊になっちまったな」
島津
「向かってくる奴等は学習能力がないのか?
折角朱色に塗ってるのに我々が見えないらしい」
本多
「銃弾を惜しまず奴等をもてなそう、行くぞ」
本多に率いられた部隊は横一線に並び射撃を行いながら敵の包囲網に進んで行った。
東名兵士
「前方に朱達磨!朱達磨がいるぞ!」
要塞指揮官
「くそったれが!
数で押しきれ、何人いると思ってる!
突撃しろ、前から救援車両が来る前にあれを乗っ取れ」
東名兵士の銃弾はシールドに弾かれ、本多の部隊は的確に敵を捉え戦場は混線になっていた。
弾切れになった朱達磨達は敵の武器を拾い応戦したが数に押され、シールドで円陣を組み耐えた。
本多
「どうした島津?
息巻いてた割には苦戦してるじゃないか?」
本多は怒声を上げ装甲に任せて大型ナイフとククリナイフを抜き敵陣に突撃した。
、模擬戦に参加していなかった朱達磨に力を示し、シールドも構えず、防弾メットも着けず突撃して行く本多に島津は心服した。
島津
「凄まじい胆力…
隊長殿を援護する、お前とお前来い!」
次々に敵を切りつけて行く本多に続き、少しずつ島津も進みだした頃、本多は既に指揮官の所まで辿り着いていた。
本多は護衛のヘッドショットを手甲で弾きナイフを飛ばし首を跳ねた。
本多
「前に出すぎたな?」
要塞指揮官
「貴様には言われたくない。
装甲列車に装甲歩兵とは、少しずるいんじゃないか?」
本多
「キャノンキャニオンに空飛ぶ兵器、移動する要塞持っててよく言うぜ、降服しろ。
皆殺しにするぞ」
要塞指揮官
「壊れた要塞なんぞくれてやる、俺の首とな!」
指揮官が銃に手を伸ばした瞬間、島津の放った銃弾が指揮官を吹き飛ばした。
本多
「殺すなよ、殴り飛ばして捉えるつもりだったのに」
島津
「出過ぎた真似をしました。すいません」
本多
「なんだー?やけに素直だな」
島津
「いや、男気に惚れました」
本多
「やめてくれ、そんな趣味は無い」
島津
「そういう意味ではないんですが」
近くから敵の車両部隊を蹴散らして救出に来た火龍の汽笛が聞こえた。
指揮官を失い無秩序な突撃を行っていた要塞守備兵は駆けつけた火龍の銃撃の餌食になった。
本多
「勝ったな!着いてこい車両に戻るぞ、あと妹をくれ」
島津
「はっどうぞどうぞ」
本多
「冗談だ。あんなじゃじゃ馬はいらん」
敵兵は要塞に逃げ戻り立てこもったが、主砲の再射撃で白旗を揚げる事になった。