咆哮するは鋼鉄の火龍
黒田と森は立花と合流するために温泉街区域に向かっていた。
森
「厄介ですね立花さんは」
黒田
「いや、実際大した奴だよ。
一回り以上大きくなって帰ってきたしな。
お前びびって目ー反らしたろ?」
森
「ええ、普段は腑抜けしか相手にしてませんからね」
黒田
「俺の事か?
まあ死線を潜り抜けた奴はやっぱり迫力が違うな、やはり俺の目に狂いは無かった」
森
「まさかあそこまで反抗的になるとは思いませんでしたね。
彼を潰すのは難しいですよ、英雄だし、支持率も高いですし、殺しちゃわないですよね?」
黒田
「どうかな、お!もう着いてるな」
立花が本多を連れて待っていた。
黒田
「用心がいいじゃないか、用心棒にはぴったりだ」
立花
「裏工作が得意な黒田大佐の事ですからね、このままじゃ私に身が危ないですからね。
戦う前に死ねないですから」
黒田
「俺に面と向かってそこまで言えるの奴は少ないぞ。
佐竹もいるだろ、呼ばんのか?」
立花
「家族持ちに迷惑は掛けれませんよ、今回は彼は無関係です」
黒田
「感心な心掛けだな、まあ入れよ」
本多
「お先にどうぞ」
森
「いえいえお先にどうぞ」
本多
「信用できん。
チビ、さっさと入れ、殺すぞ?」
本多は黒田の勢力を全て敵に回してでも立花を逃がす覚悟をしていたので既に決死の戦闘モードに入っていた。
黒田
「落ち着け、森いいから入れ」
四人は料亭へと入り、奥に通され離れの個室に入った。
そこには一枚の書類が置いてあった。
三人が席に着き本多は立花の後ろに立った。
立花は注視してそれを見た。
「内示
人類再編統括本部 中央鉄道管理部
軍事鉄道兵器課長 立花中佐をこれより
人類再編統括本部 外交部 部長とし
東京制圧までの軍事、民事における
全ての作戦指揮を任せる物とする」
立花
「これは一体?」
黒田
「ひひひ、試して悪かったね、ちょっと意地悪だったな」
今だに状況を掴めない三人が黒田を見た。
黒田は本多を片手で制止ながら懐からナイフを取りだした。
黒田
「これはこの裏社会での誠実さや嘘をつかないことを証明する方法でな」
そういうと持っていたナイフで自分の左手をテーブルと縫い付けた。
森
「何を!」
黒田
「こいつらは戦争で血を流したんだ。
俺も血を流すさ、このまま痛みに耐え話す事で真意を語っていると汲み取ってくれれば有難い。
森、俺は私腹を肥やすつもりは無いと以前言ったろ?
立花、これが証明になるとは思わんが、俺もお前と同じ考えだ。
外の世界を見て来いと言ったのを覚えているか?
このまま他ポリスと敵対していれば人類は終わる。
その前に何とかしなくてはならない、その為にもヒーローが必要なんだ。
それも力を持ったな、おれはその存在を待ちつづけ、その間に俺は必死で上に登った。
お前はまだ力が無い正義だ。
それじゃあ只の子供のわがままに過ぎない。
子供の親として俺の力を貸してやる。
他ポリスと連携するもよし、いきなり東京を攻めるもよし
全てお前の自由に戦え、俺が援護してやる。
お前の意思が本物かどうか、信頼に値するかどうか、長い者に巻かれるかそれとも飛び出すか、反応を待っていた。
二ヶ月も待った。
それでもお前を信じてこの書類を作って待っていたよ。
十分な地位を築いた事で満足してしまったのかと疑った日もあった。
竹中大将と斉藤さんにも実は事前に口を合わせて貰っていたんだ。
お前は見事、動かない俺に逆らうという一見愚かだが、尊い正義の答えを出してくれた。
安心してこの箱根をひいては人類の存亡を任せる事ができる。
俺一人では出来なかった事を共にやってくれるならば、このナイフを抜いてくれ」
テーブル一面に血が広がり、畳にこぼれた。
立花
「なぜ、黒田大佐はそこまで正義にこだわるんです?
私にそこまで権限を渡したらあなたの将来的立場も危ういのでは?」
黒田
「…これといった理由は無いんだ。
しいてゆうなら…お前にカッコをつけたいって所さ。
腐った人間達を尻目に正義を敢行するのは悪い気はしないもんだ。
森には逆の事を教えたがな、こいつはひねくれてるから」
森
「抜かなくていいですよ」
立花は声を出さず笑い、ナイフを抜き自らの手を同じ様にテーブル刺した。
立花
「ついていきますよ」
黒田
「いや、お前も部長だ、並んで行こう」
さらに本多が続いて立花の手からナイフを抜き自分に刺した。
本多
「私もやりますよ、仲間を助けなくては」
森
「僕はそれやらないですよ、誓いますけど」
本多
「さっきは悪かった。
だから抜くだけ抜いてくれよ」
黒田
「ドクター」
ドクター
「全く無茶しよって」
隠れていたドクターが出てきて手当てをしてくれた。
直ぐにサウナ街の仕切りを抜けて十河と赤松も出てきてドクターの制止も聞かず、全員が酒をたらふく飲み酔った。
その晩は箱根の体質が大きく変わっていくターニングポイントになった。
血に濡れた内示書は立花の宝となった。
黒田は密かに父として、反抗し、自立し、真っ直ぐに強く育った息子を誇りに思ったのであった。
森
「厄介ですね立花さんは」
黒田
「いや、実際大した奴だよ。
一回り以上大きくなって帰ってきたしな。
お前びびって目ー反らしたろ?」
森
「ええ、普段は腑抜けしか相手にしてませんからね」
黒田
「俺の事か?
まあ死線を潜り抜けた奴はやっぱり迫力が違うな、やはり俺の目に狂いは無かった」
森
「まさかあそこまで反抗的になるとは思いませんでしたね。
彼を潰すのは難しいですよ、英雄だし、支持率も高いですし、殺しちゃわないですよね?」
黒田
「どうかな、お!もう着いてるな」
立花が本多を連れて待っていた。
黒田
「用心がいいじゃないか、用心棒にはぴったりだ」
立花
「裏工作が得意な黒田大佐の事ですからね、このままじゃ私に身が危ないですからね。
戦う前に死ねないですから」
黒田
「俺に面と向かってそこまで言えるの奴は少ないぞ。
佐竹もいるだろ、呼ばんのか?」
立花
「家族持ちに迷惑は掛けれませんよ、今回は彼は無関係です」
黒田
「感心な心掛けだな、まあ入れよ」
本多
「お先にどうぞ」
森
「いえいえお先にどうぞ」
本多
「信用できん。
チビ、さっさと入れ、殺すぞ?」
本多は黒田の勢力を全て敵に回してでも立花を逃がす覚悟をしていたので既に決死の戦闘モードに入っていた。
黒田
「落ち着け、森いいから入れ」
四人は料亭へと入り、奥に通され離れの個室に入った。
そこには一枚の書類が置いてあった。
三人が席に着き本多は立花の後ろに立った。
立花は注視してそれを見た。
「内示
人類再編統括本部 中央鉄道管理部
軍事鉄道兵器課長 立花中佐をこれより
人類再編統括本部 外交部 部長とし
東京制圧までの軍事、民事における
全ての作戦指揮を任せる物とする」
立花
「これは一体?」
黒田
「ひひひ、試して悪かったね、ちょっと意地悪だったな」
今だに状況を掴めない三人が黒田を見た。
黒田は本多を片手で制止ながら懐からナイフを取りだした。
黒田
「これはこの裏社会での誠実さや嘘をつかないことを証明する方法でな」
そういうと持っていたナイフで自分の左手をテーブルと縫い付けた。
森
「何を!」
黒田
「こいつらは戦争で血を流したんだ。
俺も血を流すさ、このまま痛みに耐え話す事で真意を語っていると汲み取ってくれれば有難い。
森、俺は私腹を肥やすつもりは無いと以前言ったろ?
立花、これが証明になるとは思わんが、俺もお前と同じ考えだ。
外の世界を見て来いと言ったのを覚えているか?
このまま他ポリスと敵対していれば人類は終わる。
その前に何とかしなくてはならない、その為にもヒーローが必要なんだ。
それも力を持ったな、おれはその存在を待ちつづけ、その間に俺は必死で上に登った。
お前はまだ力が無い正義だ。
それじゃあ只の子供のわがままに過ぎない。
子供の親として俺の力を貸してやる。
他ポリスと連携するもよし、いきなり東京を攻めるもよし
全てお前の自由に戦え、俺が援護してやる。
お前の意思が本物かどうか、信頼に値するかどうか、長い者に巻かれるかそれとも飛び出すか、反応を待っていた。
二ヶ月も待った。
それでもお前を信じてこの書類を作って待っていたよ。
十分な地位を築いた事で満足してしまったのかと疑った日もあった。
竹中大将と斉藤さんにも実は事前に口を合わせて貰っていたんだ。
お前は見事、動かない俺に逆らうという一見愚かだが、尊い正義の答えを出してくれた。
安心してこの箱根をひいては人類の存亡を任せる事ができる。
俺一人では出来なかった事を共にやってくれるならば、このナイフを抜いてくれ」
テーブル一面に血が広がり、畳にこぼれた。
立花
「なぜ、黒田大佐はそこまで正義にこだわるんです?
私にそこまで権限を渡したらあなたの将来的立場も危ういのでは?」
黒田
「…これといった理由は無いんだ。
しいてゆうなら…お前にカッコをつけたいって所さ。
腐った人間達を尻目に正義を敢行するのは悪い気はしないもんだ。
森には逆の事を教えたがな、こいつはひねくれてるから」
森
「抜かなくていいですよ」
立花は声を出さず笑い、ナイフを抜き自らの手を同じ様にテーブル刺した。
立花
「ついていきますよ」
黒田
「いや、お前も部長だ、並んで行こう」
さらに本多が続いて立花の手からナイフを抜き自分に刺した。
本多
「私もやりますよ、仲間を助けなくては」
森
「僕はそれやらないですよ、誓いますけど」
本多
「さっきは悪かった。
だから抜くだけ抜いてくれよ」
黒田
「ドクター」
ドクター
「全く無茶しよって」
隠れていたドクターが出てきて手当てをしてくれた。
直ぐにサウナ街の仕切りを抜けて十河と赤松も出てきてドクターの制止も聞かず、全員が酒をたらふく飲み酔った。
その晩は箱根の体質が大きく変わっていくターニングポイントになった。
血に濡れた内示書は立花の宝となった。
黒田は密かに父として、反抗し、自立し、真っ直ぐに強く育った息子を誇りに思ったのであった。