狡猾な王子様
「ミミズがいると、いい土なんですよね?あそこにいたらお客さんに踏まれてしまっていたと思うので、さっきのミミズはきっと山野さんに感謝してると思います」
「え?」
さっきの女性たちみたいに気持ち悪がるどころか、そんな風に言われたことに驚いて目を小さく見開く。
それから、私の名前を知っていることにも……。
「あの、名前……」
「あ、山野農園の方ですよね?英二さんからそろそろ来られる頃だって伺っていたし、ドアの近くに段ボールがあったので」
笑顔で答えた女性は、可愛らしい笑みを浮かべたまま私を店の中に促した。
私は、優しい言葉への感謝も込めてハンカチへのお礼をもう一度言ったあと、段ボールを持って彼女と一緒に店内に入った。
「瑠花(るか)ちゃん、お見送りありがとう。……あ、冬実ちゃんも一緒だったんだ」
「はい、ちょうどそこでお会いしたんです」
私たちに気付いた英二さんに、“瑠花ちゃん”と呼ばれた女性が柔らかい笑みで答えた。
「え?」
さっきの女性たちみたいに気持ち悪がるどころか、そんな風に言われたことに驚いて目を小さく見開く。
それから、私の名前を知っていることにも……。
「あの、名前……」
「あ、山野農園の方ですよね?英二さんからそろそろ来られる頃だって伺っていたし、ドアの近くに段ボールがあったので」
笑顔で答えた女性は、可愛らしい笑みを浮かべたまま私を店の中に促した。
私は、優しい言葉への感謝も込めてハンカチへのお礼をもう一度言ったあと、段ボールを持って彼女と一緒に店内に入った。
「瑠花(るか)ちゃん、お見送りありがとう。……あ、冬実ちゃんも一緒だったんだ」
「はい、ちょうどそこでお会いしたんです」
私たちに気付いた英二さんに、“瑠花ちゃん”と呼ばれた女性が柔らかい笑みで答えた。