狡猾な王子様
「たしかに、痩せたわね」
「本当?秋ちゃんには毎日のように『痩せてるのか?』って訊かれるんだけど、見た目でわかるくらい痩せたって思う?」
「お母さんはわかるわよ。それに、現に5キロも痩せたんでしょ?」
「まぁ、一応ね……」
「お父さんは気付いてないみたいだけど、男の人ってそういうことに鈍い人が多いからね。でも、秋の場合はただ照れ臭いだけなんじゃないのかしら?」
焼き上がった食パンを渡すと、お母さんはそれにマヨネーズを塗りながらフフッと笑った。
「あ、そうかも。秋ちゃんって、素直じゃないし」
「秋君らしいですよね」
野菜スープを器に注ぐ弥生ちゃんが、クスクスと笑いを零している。
「私も、秋君はちゃんと気付いてると思うよ。だって、ふうちゃんのダイエットに一番付き合ってるんだもん」
「うん、そうだよね」
私は微笑みながら頷いて、ハムとレタスとトマトと薄焼き卵がサンドされた食パンを二等分に切って、お皿に盛り付けた。
「本当?秋ちゃんには毎日のように『痩せてるのか?』って訊かれるんだけど、見た目でわかるくらい痩せたって思う?」
「お母さんはわかるわよ。それに、現に5キロも痩せたんでしょ?」
「まぁ、一応ね……」
「お父さんは気付いてないみたいだけど、男の人ってそういうことに鈍い人が多いからね。でも、秋の場合はただ照れ臭いだけなんじゃないのかしら?」
焼き上がった食パンを渡すと、お母さんはそれにマヨネーズを塗りながらフフッと笑った。
「あ、そうかも。秋ちゃんって、素直じゃないし」
「秋君らしいですよね」
野菜スープを器に注ぐ弥生ちゃんが、クスクスと笑いを零している。
「私も、秋君はちゃんと気付いてると思うよ。だって、ふうちゃんのダイエットに一番付き合ってるんだもん」
「うん、そうだよね」
私は微笑みながら頷いて、ハムとレタスとトマトと薄焼き卵がサンドされた食パンを二等分に切って、お皿に盛り付けた。