狡猾な王子様
山野家の朝は、家族全員揃って朝食を摂ることから始まる。
仕事なんかで一緒に食べられない時は例外だけど、基本的に朝食以外の食事も“家族揃って”が山野家のルール。
朝食は六時半で、その支度を手伝う私の起床は五時半。
とは言っても、我が家の食事作りの手伝いは当番制だから、一週間を乗り切れば次に順番が回って来るのは三週間後。
大家族は何かと不便なことも多いけど、こんな時はとても助かるし、皆で賑やかに過ごせることは本当に嬉しい。
「ふう、ご飯を混ぜたら、だし巻き卵を食卓に並べてちょうだい。あ、その前にお味噌取ってくれる?」
「うん」
お母さんは手際よくお味噌汁を作りながら、キッチンのテーブルにだし巻き卵を置き、味付け海苔を用意している。
「お母さん、お味噌」
「ありがとう。じゃあ、あとでこれ運んでね」
笑顔で頷いた私は、炊飯器を開けて炊き立ての白米を混ぜたあと、だし巻き卵や食器を居間の大きな食卓に並べた。
仕事なんかで一緒に食べられない時は例外だけど、基本的に朝食以外の食事も“家族揃って”が山野家のルール。
朝食は六時半で、その支度を手伝う私の起床は五時半。
とは言っても、我が家の食事作りの手伝いは当番制だから、一週間を乗り切れば次に順番が回って来るのは三週間後。
大家族は何かと不便なことも多いけど、こんな時はとても助かるし、皆で賑やかに過ごせることは本当に嬉しい。
「ふう、ご飯を混ぜたら、だし巻き卵を食卓に並べてちょうだい。あ、その前にお味噌取ってくれる?」
「うん」
お母さんは手際よくお味噌汁を作りながら、キッチンのテーブルにだし巻き卵を置き、味付け海苔を用意している。
「お母さん、お味噌」
「ありがとう。じゃあ、あとでこれ運んでね」
笑顔で頷いた私は、炊飯器を開けて炊き立ての白米を混ぜたあと、だし巻き卵や食器を居間の大きな食卓に並べた。