狡猾な王子様
子どもの頃からキッチンに立つ機会が多かったこともあって、料理はわりと得意な方だとは思う。
ただ、食べて貰う相手が英二さんだということにとても緊張してしまって、彼の口からどんな感想が紡がれるのかと考えて不安になった。
好きな人に料理を振る舞うのが、こんなにも緊張することだったなんて……。
「美味しいね、これ」
不安と心配でドキドキしていると、英二さんが感嘆混じりの声を上げた。
「……本当ですか?あの、不味かったら正直に言って下さいね?」
「ううん、お世辞抜きで美味しいよ」
どうやら本当にお世辞ではないらしく、英二さんはスプーンを動かし続けている。
「俺、トマトゼリーって食べたことなかったんだ。だから、正直もっと癖があるのかと思ってたけど、食べやすいどころか美味しくてビックリした。これ、女の子ウケもよさそうだね」
さっきのことがまだ頭から離れなくて胸の奥は苦しいのに、美味しそうに食べてくれる彼の横顔に思わず笑みが零れていた。
ただ、食べて貰う相手が英二さんだということにとても緊張してしまって、彼の口からどんな感想が紡がれるのかと考えて不安になった。
好きな人に料理を振る舞うのが、こんなにも緊張することだったなんて……。
「美味しいね、これ」
不安と心配でドキドキしていると、英二さんが感嘆混じりの声を上げた。
「……本当ですか?あの、不味かったら正直に言って下さいね?」
「ううん、お世辞抜きで美味しいよ」
どうやら本当にお世辞ではないらしく、英二さんはスプーンを動かし続けている。
「俺、トマトゼリーって食べたことなかったんだ。だから、正直もっと癖があるのかと思ってたけど、食べやすいどころか美味しくてビックリした。これ、女の子ウケもよさそうだね」
さっきのことがまだ頭から離れなくて胸の奥は苦しいのに、美味しそうに食べてくれる彼の横顔に思わず笑みが零れていた。