狡猾な王子様
「英二さんとおばあさまの間にどんなことがあったのか、私にはわかりません……。でも、おばあさまは本当は英二さんに会いたかったんだと思います」
「なに言ってるの?そんなはず──」
「じゃあ、どうして雑誌の切り抜きなんて持ってたんですか?」
「それは……」
英二さんの話を遮った私の質問に、彼は言葉を詰まらせた。
「場所や情報を知りたいなら、ホームページだけで充分です。わざわざ雑誌を切り抜いていたのは、英二さんのことを少なからず知ろうとしたんだって思いませんか?」
本当に縁を切ったつもりなら、決して便利な立地条件ではない木漏れ日亭にまで足を運ぶだろうか。
「あの日は会わなかったけど、それはきっと色々な感情があって気持ちの整理がつかなかっただけで、まったく会うつもりがないのにわざわざ来るなんて思えないんです。だからきっと、おばあさまは英二さんに会おうとしたんだと思います」
あくまで憶測だけど、確信めいた気持ちもあって、気がつけば力強い声音で話していた。
「なに言ってるの?そんなはず──」
「じゃあ、どうして雑誌の切り抜きなんて持ってたんですか?」
「それは……」
英二さんの話を遮った私の質問に、彼は言葉を詰まらせた。
「場所や情報を知りたいなら、ホームページだけで充分です。わざわざ雑誌を切り抜いていたのは、英二さんのことを少なからず知ろうとしたんだって思いませんか?」
本当に縁を切ったつもりなら、決して便利な立地条件ではない木漏れ日亭にまで足を運ぶだろうか。
「あの日は会わなかったけど、それはきっと色々な感情があって気持ちの整理がつかなかっただけで、まったく会うつもりがないのにわざわざ来るなんて思えないんです。だからきっと、おばあさまは英二さんに会おうとしたんだと思います」
あくまで憶測だけど、確信めいた気持ちもあって、気がつけば力強い声音で話していた。