狡猾な王子様
「なにか手伝うよ」
「ありがとう」
「じゃあ、コップを並べておいてちょうだい」
手を洗って微笑むと、弥生ちゃんとお母さんが笑顔で言った。
「はーい」
十人家族ともなれば、コップやお箸を並べるだけでも手間が掛かる。
洗い物も同じで、食後の片付けだって決してラクな作業じゃない。
だから、朝食当番じゃなくても手伝うことはお互いにあって、少ししてから顔を覗かせた千佳子ちゃんもすぐに食事の支度に加わった。
「やっぱり女四人だと捗るわねぇ」
お母さんは、焼き上がった鮭をお皿に乗せながら嬉しそうに笑った。
「千佳子ちゃんと弥生ちゃんがお嫁に来てくれて、本当によかったわ」
そして、こんな時はいつも、口癖のようにそう言うのだ。
私が見る限り、我が家の嫁姑関係は至って良好だ。
おばあちゃんとの関係も同じで、本当に時々だけど、男性陣を残して女性陣だけで出掛けることもある程の仲のよさだったりする。
「ありがとう」
「じゃあ、コップを並べておいてちょうだい」
手を洗って微笑むと、弥生ちゃんとお母さんが笑顔で言った。
「はーい」
十人家族ともなれば、コップやお箸を並べるだけでも手間が掛かる。
洗い物も同じで、食後の片付けだって決してラクな作業じゃない。
だから、朝食当番じゃなくても手伝うことはお互いにあって、少ししてから顔を覗かせた千佳子ちゃんもすぐに食事の支度に加わった。
「やっぱり女四人だと捗るわねぇ」
お母さんは、焼き上がった鮭をお皿に乗せながら嬉しそうに笑った。
「千佳子ちゃんと弥生ちゃんがお嫁に来てくれて、本当によかったわ」
そして、こんな時はいつも、口癖のようにそう言うのだ。
私が見る限り、我が家の嫁姑関係は至って良好だ。
おばあちゃんとの関係も同じで、本当に時々だけど、男性陣を残して女性陣だけで出掛けることもある程の仲のよさだったりする。