狡猾な王子様
「南ちゃんって、フワフワしててお姫様みたいな感じなのに……」
外見からは考えられない南ちゃんのギャップが信じられなくて言えば、ビールを呑んでいた秋ちゃんがゴホッと噎(む)せた。
「ちょっ、秋ちゃん!汚いよ!」
辛うじて自分に掛からなかったことにホッとしつつ、側にあった台拭きで慌ててテーブルの上を拭く。
「お前なぁ、お姫様って絵本や漫画じゃあるまいし……。それ以前に、あいつの中身はそんなもんからは程遠いぞ」
南ちゃんに余程振り回されているのか、秋ちゃんが意味深なため息をつく。
「でも、すっごく好きなんでしょ?」
「……嫌いだったら付き合うか、バカ」
素直に『好き』と答えない秋ちゃんに笑いつつ、本当はとても羨ましく思っていた。
「成長したなぁ、秋」
そんな時、不意に居間に入って来たなっちゃんが、ニヤニヤと笑いながら秋ちゃんを見た。
「げっ、夏!」
「本当、成長したよね」
続いて現れた春ちゃんが、感慨深げに頷きながら腰を下ろした。
外見からは考えられない南ちゃんのギャップが信じられなくて言えば、ビールを呑んでいた秋ちゃんがゴホッと噎(む)せた。
「ちょっ、秋ちゃん!汚いよ!」
辛うじて自分に掛からなかったことにホッとしつつ、側にあった台拭きで慌ててテーブルの上を拭く。
「お前なぁ、お姫様って絵本や漫画じゃあるまいし……。それ以前に、あいつの中身はそんなもんからは程遠いぞ」
南ちゃんに余程振り回されているのか、秋ちゃんが意味深なため息をつく。
「でも、すっごく好きなんでしょ?」
「……嫌いだったら付き合うか、バカ」
素直に『好き』と答えない秋ちゃんに笑いつつ、本当はとても羨ましく思っていた。
「成長したなぁ、秋」
そんな時、不意に居間に入って来たなっちゃんが、ニヤニヤと笑いながら秋ちゃんを見た。
「げっ、夏!」
「本当、成長したよね」
続いて現れた春ちゃんが、感慨深げに頷きながら腰を下ろした。