狡猾な王子様
「お前ら、なんでここにいるんだよ!」
「兄貴が母屋にいたらおかしいか?」
「その前に、いつから聞いて……いや、待て!答えなくていい!」
ククッと意地悪な笑いを零すなっちゃんに、秋ちゃんが深いため息を吐きながら心底嫌そうな顔をする。
「昔はふうをいじめてばっかりだったのに、兄貴らしくなったなぁ」
「そうそう。それで、よく僕たちが叱ったよね」
なっちゃんと春ちゃんは楽しげに笑って、それぞれに持っていた缶ビールを開けた。
「で、なんの話してたの?」
「白々しいな。どうせ聞いてたんだろ」
ニコニコと笑う春ちゃんに、秋ちゃんはブスッとしながら顔を背ける。
「僕はさっき来たとこだから、最後の方しか聞いてないよ。ここに入ろうとした僕を止めた夏は、いつからいたのか知らないけど」
「俺も途中からしか聞いてないって」
秋ちゃんの態度を気にすることなく微笑む春ちゃんはともかく、恐らくなっちゃんは最初から聞いていたのだろう。
「兄貴が母屋にいたらおかしいか?」
「その前に、いつから聞いて……いや、待て!答えなくていい!」
ククッと意地悪な笑いを零すなっちゃんに、秋ちゃんが深いため息を吐きながら心底嫌そうな顔をする。
「昔はふうをいじめてばっかりだったのに、兄貴らしくなったなぁ」
「そうそう。それで、よく僕たちが叱ったよね」
なっちゃんと春ちゃんは楽しげに笑って、それぞれに持っていた缶ビールを開けた。
「で、なんの話してたの?」
「白々しいな。どうせ聞いてたんだろ」
ニコニコと笑う春ちゃんに、秋ちゃんはブスッとしながら顔を背ける。
「僕はさっき来たとこだから、最後の方しか聞いてないよ。ここに入ろうとした僕を止めた夏は、いつからいたのか知らないけど」
「俺も途中からしか聞いてないって」
秋ちゃんの態度を気にすることなく微笑む春ちゃんはともかく、恐らくなっちゃんは最初から聞いていたのだろう。