狡猾な王子様
「……まぁ、ふうの恋愛相談ってとこだな」
「ちっ、違うよっ!!普通の相談だもん!」
「バカ秋。ふうが自分のことだってバレないように一生懸命隠してたんだから、それを言ったらダメだろ」
なっちゃんは、やっぱり最初から聞いていたらしい。
「な、なん……」
口をパクパクとさせる私を余所に、秋ちゃんは心底呆れたようにため息をつき、なっちゃんは少しだけ困ったように笑い、春ちゃんは相変わらずニコニコと微笑んでいる。
「ふうが木漏れ日亭のエセ臭い笑顔の男を好きなのは、皆知ってるぞ」
不機嫌な表情のままの秋ちゃんの言葉に、目を見開いて絶句する。
「皆って言っても、父さんたちは知らないと思うよ。気付いてるのは、僕たちと千佳子と弥生ちゃんだけだから」
フォローをしてくれたつもりらしい春ちゃんに、ますます追い討ちを掛けられる。
自分自身が昨日まで認めていなかった気持ちをどうして皆が知っているのかというのはもちろん、五人もの家族に知られている事実に目眩がした。
「ちっ、違うよっ!!普通の相談だもん!」
「バカ秋。ふうが自分のことだってバレないように一生懸命隠してたんだから、それを言ったらダメだろ」
なっちゃんは、やっぱり最初から聞いていたらしい。
「な、なん……」
口をパクパクとさせる私を余所に、秋ちゃんは心底呆れたようにため息をつき、なっちゃんは少しだけ困ったように笑い、春ちゃんは相変わらずニコニコと微笑んでいる。
「ふうが木漏れ日亭のエセ臭い笑顔の男を好きなのは、皆知ってるぞ」
不機嫌な表情のままの秋ちゃんの言葉に、目を見開いて絶句する。
「皆って言っても、父さんたちは知らないと思うよ。気付いてるのは、僕たちと千佳子と弥生ちゃんだけだから」
フォローをしてくれたつもりらしい春ちゃんに、ますます追い討ちを掛けられる。
自分自身が昨日まで認めていなかった気持ちをどうして皆が知っているのかというのはもちろん、五人もの家族に知られている事実に目眩がした。