狡猾な王子様
「僕も読んでるよ。ふうのブログ、うちの職場でも好評なんだよ。あったかい雰囲気で癒される、って」
「本当?」
「うん。そういえば、清掃員のおばさんがふうがブログに載せてたレシピで作った料理が『家族に好評だった』って、すごく喜んでたよ。すっかり忘れてたけど、この間『ふうちゃんにお礼言っといて』って言われてたんだ」
「そうなの?私のレシピで作ってくれてる人がいるなんて、すごく嬉しい。その人に『ありがとう』って伝えてくれる?」
「うん。明日、必ず伝えておく」
春ちゃんの言葉に、ようやく自然と笑みが零れる。
すると、春ちゃんとなっちゃんがどこか嬉しそうに微笑んで、ひとり黙々と呑んでいた秋ちゃんも小さく笑った。
元気付けてくれたんだよね……。
心配性で優しい兄たちに、心の中で「ありがとう」と呟く。
「よし、早く更新しようっと」
私はできるだけ心配を掛けないように明るく言って、笑顔を貼り付けたまま居間の隅にあるパソコンを立ち上げた。
「本当?」
「うん。そういえば、清掃員のおばさんがふうがブログに載せてたレシピで作った料理が『家族に好評だった』って、すごく喜んでたよ。すっかり忘れてたけど、この間『ふうちゃんにお礼言っといて』って言われてたんだ」
「そうなの?私のレシピで作ってくれてる人がいるなんて、すごく嬉しい。その人に『ありがとう』って伝えてくれる?」
「うん。明日、必ず伝えておく」
春ちゃんの言葉に、ようやく自然と笑みが零れる。
すると、春ちゃんとなっちゃんがどこか嬉しそうに微笑んで、ひとり黙々と呑んでいた秋ちゃんも小さく笑った。
元気付けてくれたんだよね……。
心配性で優しい兄たちに、心の中で「ありがとう」と呟く。
「よし、早く更新しようっと」
私はできるだけ心配を掛けないように明るく言って、笑顔を貼り付けたまま居間の隅にあるパソコンを立ち上げた。