わたし、巫女ですから
「普通の狐じゃないよね?もしかして、妖怪なの?」
そこまで言い当てられてしまって、もう頭の中は完全にパニックだ。
踵を返して、逃げ出そうとする。
「あ、待ってよ!」
逃げようとした僕の手を、女の子がつかんでしまう。
「は、離して!」
悲鳴じみた声で叫ぶと、すんなり離してくれた。
「……捕まえない、の?」
「だって、離してって言ったから……」
困ったように微笑まれて、逃げられなくなる。
「何も、しない?」
「しないよ?あ……そっちも、その、食べたりしない?わたしのこと」
「し、しないよ!」
「ふふ、じゃあ、仲良くできるね」