わたし、巫女ですから




 ぬー、何かないものか……。本格的に真剣に資金難を何とかしないとマズい。ほんとにマズい。

 なにか……なにかないものか……。

「ぬー……」

 ぽくぽくぽく……と、脳内で木魚を鳴らさずにはいられない。

 ーーと思ったら、考え込むわたしを面白がって、牡丹がほんとに木魚を叩いていた。
 ここまでくると怒る気もしない。

 そもそも、だ。わたしだってお金になりそうな取り柄などない。
 昔っからバカみたいに妖気や邪気を祓うことには長けていたけれど……ーーんぁ!!

「そうだ!妖怪退治よ!」

 ぽんっと手を打って立ち上がったわたしを、各々くつろいで座っていた四人が見上げてくる。

「え、いやっ……確かにオイラたち居候だけどさっ!た、退治って……」

「何言ってるのよ?わたしが退治するんじゃなくて、わたし達で退治するのよ」

「どういうことだ?」

「だから、ほらっ、たまぁに悪霊祓いを頼みにくる人が居るけど、たまぁにでしょ?でもここら辺って、人数の多さに負けず劣らず妖怪も多いじゃない?しかも、大々的に悪さをするような妖怪が多いから、よく『怪奇現象だー!』って騒ぎになる」

「あぁ、そのお陰で狩りがし易くて助かる」

「そうそう!四人とも、騒ぎを起こしたり悪さをする妖怪を狩ってるんでしょ?それなら、それを大々的に商売にしちゃえばいいのよ!」

 これは我ながら名案だと思う。この辺りは、世界の七不思議スポットもビックリするほど怪奇現象が起こるのだ。しかも妖怪がらみで。
 少なくとも、参拝者よりは多く依頼が来ると思う。


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