わたし、巫女ですから
「オレは、見世物なんて御免だ」
相も変わらず藤はわたしの意見に反抗的だ。かと言って、わたしも四人を見世物にするつもりはない。
「表向きは、巫女のわたしが退治することにするのよ。皆は手伝いってことで」
「巫女の仕事にそんなのあるのか?」
「ないけど、今の世の中、巫女が大麻振り乱して『悪霊退散!』ってすると思ってる人が多いぐらいだもの。それっぽいこと言ってちゃんと退治しておけば、誰も深く考えないわよ」
「『悪霊退散!』って、しないのか?」
「しないわよ。それは神主の仕事」
父さんがちゃんと神社で神主をしていた頃は、よく悪霊祓いを頼まれていたものだ。
「まぁ、ひかりがそう言うなら、僕は何も言わないよ?することは、普段と同じみたいだし」
椿は賛成のようで、やわらかく微笑んで頷いてくれている。