わたし、巫女ですから



 ちりちり頭をぽりぽり掻きながら、言葉を続ける。

「大豆を投げつけるのを、やめてもらいたいんですよ。いや、ね?わしらだって追い出される心当たりがない訳じゃねぇもんで、家に居させてくれとは言いやしません。他の住処はすぐ見つかりやすし。……でも、ねぇ」

 助さんは、なんとも情けない顔をしてみせた。

「大豆投げつけられるのね、あれ、結構痛いんですよぉ。痛い割に、地味でしょう?泣く子も黙る鬼ともあろうもんが、豆投げつけられて泣いて逃げるなんて、格好がつかないでしょう?」

 そこまで言って、助さんは頭を下げた。

「こん通りです。今年の節分、この辺の鬼共が、豆を投げつけられないようにしてくれねぇか?」

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