双子のあいつと私の恋
「ま。とりあえず俺の事好きってことで。
じゃあまた明日。凜花。」
・・・いきなり呼び捨てかい。
「何あいつ!みかけによらず俺様!
全然イメージ違うし!幻滅した・・・」
みかけによらずって莉子ちゃんが言える言葉じゃ
ないけどね・・・
でも言っていることは正しい。
「どうしよう。勝手に好きとか誤解されちゃってるし・・・」
「まぁ、いくらなんでもみんなに言ったりはしないでしょ!」
「だよね!そこまで言ったらさすがにひどいよね。」
そう心に言い聞かせて私は莉子ちゃんと帰宅した。
「ただいま~」
「お~おかえり!どうだった高校は?」
そう言って玄関で待っててくれたのは
お父さん。
私にはお母さんがいない。
なんでも小さい頃に離婚したらしい。
お父さんは普段はすごく優しいけど
お母さんの事になるとなんにもしゃべってくれない。
だから私もお母さんの話には触れないようにしている。
「高校は楽しかったよ!
あ、でもね!1つ聞いてくんない!?」
「なんだ?」
「なんか、同じクラスに根室 凜也君って
人がいてね!?誕生日も一緒でさぁ。
しかもなんか私が凜也君の事好きだって
勘違いしちゃってて。ホント意味わかんない・・・」
ため息をついてお父さんの顔を見ると、
お父さんの顔は今までに見たことないくらいに
凍りついてた。
「なんだって?根室 凜也?」
「そうだけど・・・」
「そいつと喋ったのか?」