溺愛協奏曲
「はいっやめー!後ろの人テスト用紙回収してきて~」



授業終了の鐘が鳴ると同時に担任の先生の声



今日から精華は一週間、テスト週間これが終わると楽しい夏休み



・・・・だが当然赤点の人は補習が待っている



40点以下は補習なんだけどさすがにそれは避けたいとこだけど



今回はどうかな・・・・って感じかな



「莉子ちゃ~ん、どうだった?あたし、ちょっと余裕でいけちゃうかも~

なんか、案外簡単だったから大丈夫そう」



試験が終わるなりあたしの元に走ってきた茜ちゃんは余裕の発言



あの試験問題が簡単?結構難しかったよね



茜ちゃんの前いた高校って・・・?



「ところで茜ちゃんってさここに来る前何処の高校だったの?」




「聖蘭女学園だよ」



「聖蘭!?」「うそー!」




平然と答える茜ちゃんにクラス中からどよめきの声



無理もない、聖蘭女学園といえば超がつくほどのお嬢様学校でもあり



全国でも有名な進学校、政治家や医者や弁護士などここの卒業生も多い



日本各地に姉妹校があり東京にある本校に負けず劣らずの学校でたしか



茜ちゃんが居た長野にも姉妹校があったような・・・・



「そんなことより、早く帰ろうよ今日お引越しなんでしょ


もう車来てると思うから急ごう!蓮が家で待ってるんでしょ」



「そうだった!ごめん急ごう」


帰り支度を黙って見つめる茜ちゃんが悲しそうな目で見ていたなんて



この時にわかっていたら・・・・そう思わずにはいられないけど



この時のあたしはなにも知らずに蓮の家へと心を躍らせていた









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