溺愛協奏曲
城崎さんに連れられて廊下を歩く



ふと、窓を見ると大きな・・・桜の木が見えた




春になって満開になったら綺麗だろうな・・・・



なんて思っていると突然城崎さんが振り向いた



えっ・・・・なに?



「高遠莉子さん・・・あんたなにが目的でここへ来た?」




冷たい冷ややかな目で見つめられてあたしは思わず身構えた



こんな目で見つめられたことなんて今まであっただろうか



でも・・・なんで



「目的って・・・あたしは由美子さんの「ふざけんな・・・・」」



城崎さんの重低音な声が耳に届く



全身が固まった



「おいっ!どうやって若をたらしこんだかしらねえがこれだけは覚えておけ


若を傷つけたりしたら・・・あんたを絶対許さねえ・・」



胸倉を掴まれ耳元で囁かれる



壁にドンッと押し付けられた



「若は今まで沢山傷ついてきた・・・だからあんたが若を傷つけたりしたら東京湾の


海に沈めてやるよ・・・・」



ニヤリと笑う城崎さんの目に釘づけになる



背中をひやりと汗が滴りおちる・・・くずれ落ちるようにその場に座り込んだ












< 105 / 423 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop