溺愛協奏曲
「茜さんのお母様が軽井沢から戻られるまで東條組で預かる・・・・というのは


どうですか?幸い子供の頃から出入りしているので茜さんも気兼ねなく過ごせると


思いますしここには蓮も・・・それからお友達の莉子さんもいますし・・・」



城崎さんと龍斗さんの視線があたしのほうに向けられた



蓮は・・・というと不機嫌そうに二人を見つめてあたしの手を握りしめたままだ



「ちっ・・・めんどくせえ」



「若っ・・・!」




「またあいつの我が儘に振り回されんのかと思うと、女じゃなかったら


蹴り入れるところだぞ、お前わかってんのか?周りが甘やかすからあいつは


小さい頃から・・「蓮、頼む・・・少しの間預かってくれないか・・・・


おふくろが帰ってくるまでの間一週間いや2~3日でいいんだ!頼む」



・・・と、懇願する龍斗さん



呆れたように溜息をつくと蓮があたしのほうを見るとそっと肩を抱いた



「莉子は・・・茜が来ても大丈夫か?」



至近距離で蓮に話しかけられドキッとする



胸の高鳴りが聞こえたらどうしよう・・・そんなことを思った



「えっ・・・大丈夫だよ」




「そうか、あいつ我が儘でお嬢様な奴だけどよろしく頼むな」



そっとこめかみにキスを落とす蓮



みんなが居るのに・・・・・そんなあたし達を冷ややかな目で見つめる龍斗さんの


姿があったことなど知る由もなくそのまま茜ちゃんも蓮の家にお世話に



なることがこの日決まった


















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