溺愛協奏曲
学校へは三人一緒に車で通うことになった




防犯上ってことと、もともと精華と白鴎は近い距離にあるから三人一緒の



ほうが効率がいいとのこと




あたしの隣に座るのはもちろん蓮で、ずっと手を握ったまま・・・・




茜ちゃんにずっと見られてるような気がして恥ずかしい




「蓮~もうそろそろ学校着くからいい加減離しなさいよ」




「あ?別にいいだろうが」




「蓮・・・ほんとにもう学校着いたから離してくれないと困る」



「わかった・・・・じゃ帰りメールしろ」



蓮の熱い視線にとまどっているとおでこにそっとキスをしてくる




「もうっ・・・・じゃあね」



赤くなる頬を押さえながら茜ちゃんと二人車を降りると



つきささるような視線・・・・ひそひそ話




時々聞こえる転校生が・・・とかあのこが・・・と言う声




あたし達のほうを見る、みんなの目が・・・視線が・・・・




空気がおかしい




茜ちゃんも気付いたのかあたしの手を引っ張り教室へと急ぐ




廊下を通り教室の前までくるとがやがやとうるさいほどの声がする



がらっと教室のドアを開けるとそれまでざわついていた教室の声が



ぴたりと嘘のように静まり返る



視線があたし達二人に一斉に注がれた









< 120 / 423 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop