溺愛協奏曲
第15章
「蓮・・・あたし・・」




「無事でよかった・・・」




あたしの首筋に顔を埋め痛いくらいに抱きしめてくる



そんな蓮がとてもいとおしくてそっと背中に腕を回す



あたしの手の感触に気付いたのか蓮は更に強く抱きしめてきた




・・・・ってかこれはちょっと・・・!!



「蓮!苦し・・っ」




「わりい・・大丈夫か?」





「うん、大丈夫・・・・」




あたしの顔を覗き込みながらそっと髪を撫でる



頬に蓮の暖かい手が触れると目が合った



蓮の瞳は戸惑っているような感じにあたしには映った



不安げな様子の蓮に申し訳なくて・・・




だいぶ心配かけちゃったよね



「蓮・・・・ごめんなさい、心配かけて・・あのあたし「なにも言うな!」」



蓮・・・?



再び抱き寄せられ腕のなかに閉じ込められる




蓮の一言になにも言えなくなったあたしは戸惑っていた



説明しようにもそんなことはできない雰囲気




口火をきったのは入り口で一部始終を見ていた龍斗さんだった



「お取込み中のところ悪いんだけど、うちの事務所こんなにしてくれて


どうすんの?ちゃんと元通りにしてくれないと困るんだけど・・・・


それに暴れた原因ちゃんと説明してくれないとうちの組員宥めるの大変でさ


土下座して謝ってくんない?」




えっ・・・龍斗さん?



てか・・・すっかり忘れてた




今までの全部見られてた・・・・よね?





恥ずかしさが一気に込み上げてきたけど龍斗さんの一言に我に返る




ど・・・・土下座って・・




なんでそうなるの?




蓮が怒ってたのは勝手にあたしを拉致したからで原因を作ったのは龍斗さんだよね




悪いのは龍斗さんで・・・蓮じゃない



まあ・・この暴れ方は尋常じゃないかも・・・だけど











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