溺愛協奏曲
どれくらい走っただろう



車を走らせて着いた先はこのあたりでは有名な高級住宅地




その閑静な住宅街を抜けると高層マンションが立ち並ぶ大きな通りに出た




一軒の高層マンションの前に車が止まる




車窓から見えるあまりにも高そうなマンションを下から見上げた




す・・・すごい




後ずさりしてしまうほどの高級そうなマンションに正直びびりまくり・・・




もしかしてここも東條組のもの・・・・だなんて言わないよね?




「おい・・・・早く降りろ、いつまで眺めてんだよだれ垂れてっぞ」



え・・・・よだれ・・?



慌てて口元に手をやるあたしを見てくすくす笑う蓮




「よだれなんて垂れてないし・・・もうっ」



「口開けて目えまんまるにして驚いてたから少しからかっただけだ


ほら、行くぞ」




蓮に手を引かれマンションの中へと入る




まるでホテルのラウンジのようなエントランスにはスーツを着たコンシェルジュ




50代位の白髪交じりの紳士が一人立っていた




蓮と目が合うと深々と頭を下げる



「東條様、お帰りなさいませ」




「ああ、ただいま、こいつが前話してた高遠莉子

ここにちょくちょく出入りすることになると思うから宜しく頼む」




「かしこまりました、私はこのマンションのコンシェルジュをしている


及川と申します、高遠様宜しくお願いします」



「こ・・・こちらこそ宜しくお願いします!」




雰囲気に圧倒されるし・・コンシェルジュ付きのマンションなんて初めてで・・・



思わず声が裏返ってしまった




蓮と及川さんがクスクス笑っている




も~なんでこんな時に声が裏返るのよ




「ふっ・・・莉子、行くぞ」



「あ・・・・うん」




手を引かれ指紋認証をするのか手をかざす



暗証番号を押すとやっと扉が開いた





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