溺愛協奏曲
エレベーターが二つ目に入る




右側のエレベーターは最上階専用と書いてある




って・・・・もしかして最上階なの?




「蓮・・・・部屋はもしかして最上階?」



「そうだ、一番上で2世帯しか住んでいない


隣はたしか海外転勤で留守とか言ってたから実際住んでんのは



俺だけ・・・っていっても毎日ここに来てる訳じゃねえけど」




エレベーターに乗り込み部屋の前に来るとキーを差し込みドアを開けた




真っ先に目に入ってきた玄関は真っ白で清潔感溢れてるって感じ




観葉植物が置かれ全身が写る鏡が置かれている




観葉植物・・・蓮が育ててんのかな




「入れよ・・」




「う・・・うんお邪魔します」





靴を脱いで部屋に入ると




目に飛び込んできたのは宝石箱をひっくり返したような夜景




大きな窓には見事な夜景が広がっていた



小走りに窓際まで行くと見事な夜景に釘付けになるあたし




「き・・・きれい・・・」




夜景に心を奪われていると後ろに人の気配を感じた



そっと後ろから抱きしめられると耳元に蓮の吐息がかかる




ウエストに回した手は身動きできないほど・・・



「俺のこと忘れてなに見てんだ・・・」




「蓮・・・・」




振り向くとあたしの耳をそっと甘噛みする



軽い痛みと心地よい感じがあたしの中を駆け巡る





「やあっ・・・」




自分の声ではないような声に自分自身驚きを隠せない



あたしの声に蓮の抱きしめる力が一層強くなる





「ふっ・・莉子って耳弱いんだ」




色気ダダ漏れの蓮に今さらながらくらくらする



マンションの一室に男と女が二人きり




今頃気付いたのかって言われればそれまでだけど・・・・




これってもしかして・・・





あたし・・・蓮に喰われちゃう?







































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