溺愛協奏曲
「莉子が拉致されたって聞いてありえねえくらい動揺した・・・


GPSで確認したら繁華街の傍のラブホで、捜索に行かせた組員から



龍斗が無理矢理連れ込んだみてえだって聞かされて助けに行こうとしたけど



組員の連中が途中で見失ってどのホテルに入ったのかわかんねえって言われて



頭に血がのぼって龍斗の事務所に乗り込んだ・・・




なんもなかったって聞かされて納得したけど、こんなもん見せられて




正直動揺してる・・・自分で自分が情けなくなる」



蓮がポケットからスマホを取り出すとそこに写っていたのは・・・




龍斗さんとあたしがホテルから出てくるところがばっちり写ってて・・・・




こんなのいつの間に撮られたんだろ



「こ・・・これ」




「どこの誰だか知らねえが俺んところに送ってきた


莉子のことは信じてるけど心がざわついてしかたねえ



こんなもんで動揺しまくってる俺は小心者だ・・・・




だから、俺のものにしたくてここに連れてきたけど・・」




あたしの頭をくしゃくしゃっと撫でると




にっこり微笑んだ



「今日はなんにもしねえから安心しろ・・もう眠いから風呂入って寝るか


っていうかお前腹減ってねえ?」




「うん、お腹すいた~あたしなんか作るよ」



蓮に送られてきた一枚の写真にあたし自身も動揺していたけど



それを悟られないように精一杯笑った




一体誰なのか・・・





考えても答えは出なくて無理矢理心の引き出しに蓋をした







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