溺愛協奏曲
なんだ・・・あたしこんなにも蓮のこと好きになってたんだ




抱きしめられるとどきどきするし、大きな暖かい手に触れると安心する




甘いキスも優しい言葉をくれる蓮も嘘じゃないと思いたいけれど




一枚の写真にこんなに動揺している自分に驚きを隠せない




あたしってこんなにも弱かったのかな



写真の女の人は誰?




一言聞けば済むのかもしれないけれど・・・・





なんだか蓮になんて言われるかが怖くて溜息をついた





「こんなんじゃいけないよね・・・」




広い寝室にあたしのつぶやきが木霊する



改めて写真をみるととても綺麗な人




満開の桜の木の下で白いワンピースを着て微笑む彼女は儚げで





守ってあげたい・・・・そんな風に思わせてしまう女性がそこに居た





涙を堪え蓮のいなくなった冷たいベッドに横になる




エアコンの効いた室内はなんだか冷たすぎてタオルケットをそっと引き寄せた




「莉子・・・・」



すると部屋のドアが開きベットのスプリングがきしんで蓮が部屋に来たのがわかった



ベットに入り後ろから抱きしめるようにすると髪をそっと撫でる



「もう・・・寝たのか?」



「・・・・・・」




あたしの頬にそっとキスをすると再び抱き枕のように後ろから抱きしめる



心の動揺を隠せないあたしは狸寝入りを続けたけれどいつの間にか




蓮の腕の中で深い眠りについていた




















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