溺愛協奏曲
「由美子さーんあたし携帯忘れてきちゃったかも~」



「ほら、これでしょ」




枕元にある真っ白な携帯を差し出すと




くすくす笑いながら茜ちゃんを見ている由美子さん



「まったく・・・そそっかしいんだから・・・」



「ごめんなさい・・・」





すると平謝りの茜ちゃんと目が合う




にっこりと微笑む姿は可愛くってお人形さんみたい




でも・・・無理して笑ってる?



「あ・・ふたりとも居たんだ~じゃあせっかくだから帰りお茶でもしていかない?

おいしいケーキの店この近くにあるから~行こうよ」




「あ~お前来てたのか、俺甘いの苦手・・・無理」



「そんなこと言わないでさ~行こうよ」




「ったく・・・・じゃあ行くぞ」



茜ちゃんの迫力に押されたのかしぶしぶお茶することに同意した蓮



由美子さんにちゃっかりお小遣いをもらった茜ちゃんとあたし達は




病室を後にして廊下を小走りに歩いた




すると目の前のトイレに来たとき茜ちゃんが突然トイレに行きたいと言い出して



あたしの腕をつかんだ



「蓮、先行ってロビーで待ってて、莉子とトイレ行ってくる」



「あ・・・・わかった」



蓮は頷くと数人の組員さんたちとロビーへと向かった



それを見届けるように茜ちゃんがあたしの腕を引っ張りトイレへと連れ込んだ



























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