溺愛協奏曲
「あたしね、この頃リハビリが楽しいの・・・だって終わったらこうやって


莉子ちゃんとガールズトークできるし頑張って早く歩けるようになりたいな」



「そうだね、頑張って歩けるようになったら二人で買いもの行って


おいしいもの沢山食べよ~でもあんまり無理しないで」



「うん、わかってる!楽しみだな~」



ニッコリ微笑んで笑う彼女はどこか儚げで影があって・・・・




なにかを抱えているように見えて・・・




明るく振舞っているけど何故入院することになったのか、足が悪くなった原因はなに?




聞きたいけどなんだか聞いてはいけないような気がして・・・





言葉を飲み込んで玲奈ちゃんに微笑んだ




それから一時間以上も話をして気が付けばとっくにお昼を過ぎていて






お迎えの車が来てるらしい彼女と名残惜しそうに休憩室で別れ病室へと急いだ




点滴を引きずり廊下を歩いて病室へと向かっていると目の前に人が立ちはだかる




え・・・?なに




怪訝に思って目の前の人物を見つめる




目の前にはあたしを睨みつける睫毛ばさばさの目の周り真っ黒のケバイ女二人



「あんた高遠莉子でしょ、ちょっと顔かしてくんない」



「さっさと来いよ」




経験上この手の女は逆らっても無駄、溜息をついて歩き出す




引きずられるように連れてこられたのは・・・やっぱり定番のトイレ





なんかあたし・・・ここの病院のトイレに呪われてる?












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