溺愛協奏曲
「悪いな・・・・本当にごめん、俺のせいで又、莉子がこんな目に・・・」



「あたしは大丈夫、こんなの全然平気だから心配しないで」




「強がってんじゃねえぞ、俺には弱音位はいてもいいんだぞ」



蓮はニッコリ微笑むとくしゃくしゃとあたしの頭を撫でた



なんだか胸がいっぱいになって泣きそうになったけど必死に堪えて笑顔をつくった



でもそんなあたしを見逃すはずはなくあっさりと見抜かれてしまう



「いいから泣きたい時は泣け、俺に全部吐き出せ・・・あいつらに


何言われた?」



「・・・・顔は綺麗かもしれないけど地味だとか、おまえはふさわしくないとか


あとは・・・・さっさと別・・れろ・・・とか」



蓮に話してるうちに悔しさとか怒りとかいろんなものが込み上げてきて



いつの間にか泣いていて・・・・気が付いたら号泣していた



そんなあたしを優しく抱き寄せるとそっとおでことおでこをくっ付ける



蓮の端正な顔が真近にあってあたしの顔が一気に熱をもった



「それだけか?」




「あとは・・・・あのひと何度も蓮に抱かれた・・・・って」




最後は声にならなくて思わず蓮のシャツを握りしめる



蓮はそんなあたしの頭を自分の胸に抱き寄せると背中を優しくさすってくれた



「確かに体の関係があったのは事実だ、過去の俺は変えようがねえ


だが体の関係だけで正直名前も憶えてねえし・・・今は、莉子だけだ



抱きたいと思うのもキスしたいと思うのもお前だけだ・・・だから



もう一度聞かせてくれ」


















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