溺愛協奏曲
「トイレであいつらに言ってたやつ・・・蓮はあたしにとってって・・・言ってただろ」




驚いて蓮の胸の中から慌てて離れる



上機嫌の蓮に嫌な予感しかしない




「れ・・・蓮、どこから聞いてたの?もしかして・・・」




「最初っから全部」





え・・・・最初からって・・




えーっ!あの女たちとのやり取りを全部聞かれてたなんて・・・




「あ・・あたし、なんか変なこと言った?ってか聞いてたなんてひどいよ」



「ははっ悪い、悪い、莉子がどうやって応戦するか見てみたくて黙って見てた」




するといきなりソファに座ったかと思うとあたしを抱き上げ向かい合わせに座らせた



髪を撫でながら真剣な眼差しで蓮は呟く



「あいつらに言ってたこと・・もう一回言え」



「え・・・なにを言うの?」




「蓮はあたしにとって・・・からもう一回聞きたい」




熱い眼差しで見つめられて一気に顔に熱が集まるのがわかった



その先の言葉を聞いてたくせにもう一回聞きたいなんて・・・・



めちゃくちゃ恥ずかしい



「聞いてたんでしょ?だったら・・・「俺は莉子の口からもう一回聞きたい」」




「早くしろ、俺は気が短いんだよ・・言わねえとこのままキスするけどいいのか」




「駄目、駄目言うからちょっとまって・・・あの時言ったのは蓮のことが

とっても大事なひとであたしは惚れてるって言っただけで・・」



「もう一回・・聞こえなかった」




それから恥ずかしいセリフを何度も何度も言わされて・・・



蓮に翻弄されながらもあたしは愛される幸せを噛みしめていた


























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