溺愛協奏曲
それからあたしのお腹の傷もすっかりよくなり夏休みもあと残すところ



三日となった今日ようやく退院の日が決まった



夏休みの最終日に退院が決まりなんだかあっと言う間の入院生活





考えてみるとあたしにとってこれが初めての入院生活で・・・




蓮のお父さんの計らいで個室のこんな豪華な部屋に入院させてもらって




とても快適な入院生活だった




ようやく家に帰れると思うとほっとする



そんなに荷物があるわけじゃないけど整理しとこうかな




ソファに座り着替えを畳んでボストンバッグに詰めていると部屋をノックする音



「は~い、どうぞ」




「おー莉子ちゃん最後の見舞いにきたよー!なになに?退院決まったんだって


おめでとう」



「莉子ちゃんこんにちは、よかったよ退院決まったんだって?はい、これお土産の

チーズケーキ莉子ちゃん好きでしょ」



「ありがとう、すごいうれしい!あっこれ駅前の限定のやつだ

えーっもしかして並んで買ったの?いつも売切れてて買えないのに~」




「莉子ちゃん、俺が朝早く並んで買ったんだよ~涼から朝早く電話もらった時は


何事かって思ったけどさ~喜んでもらってなによりだよ」



汗を浮かべて話す拓巳くんに笑みがこぼれる



ケーキ屋さんにこんなかっこいい男の子が並んでいたら目立っただろうな



って思うとなんだかあたしの為に並んでくれた拓巳くんに感謝だよね






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