溺愛協奏曲
「あれ?そういえば蓮はどこいったんだよ」



「あーなんかリハビリ室覗いてくるって言ってたけど・・・


そんなとこに知り合いでもいるのかな」



リハビリ室・・・?



そんなところに知り合いがいるなんて聞いてないけどな



そういえば玲奈ちゃんに退院することまだ言ってない




今日はまだ逢ってないし蓮をお迎えがてら覗いてみようかな



連絡先もわかんないから聞かなくちゃ退院してからも逢いたいし・・・・



「涼くん、拓巳くん、あたしちょっとリハビリ室覗いてくる


冷蔵庫に冷たい飲み物あるから飲んで待ってて」



「いっしょに行こうか・・・大丈夫?」



「大丈夫、ちょっと待ってて・・行ってくる」



カーディガンを羽織り冷房の効いた部屋を出てリハビリ室へと向かった




窓を覗くと今日も沢山の患者さんがリハビリを頑張っている





さまざまな器具を使って頑張る姿はそれだけでとても美しい




中央に目を向けると手すりに掴まり歩く練習をしている玲奈ちゃんの姿




その横で優しく見つめる男の人



あ・・・・あれは・・




蓮・・・・!




間違いないあそこにいるのは蓮だ



なぜ?二人は知り合い?




あたしが見ているとも知らずに蓮は玲奈ちゃんから視線をはずさない



あんな蓮・・・・あたしは知らない




心臓が波打つようにどくん・・・と鳴った




あたし以外の女の子に笑いかける蓮を初めて見た



いや・・・・嫌だ




あたし以外の子にそんな顔しないで・・・





お腹の底から嫉妬心が湧きあがる




二人を見ているのが嫌でリハビリ室を後にする




泣きそうになるのを堪える・・・大丈夫、あたしは大丈夫



心の中でそう言い聞かせながら廊下を小走りに歩いていると急に腕を掴まれた

























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