溺愛協奏曲
「おい!莉子どこ行くんだよ」




れ・・・蓮




どうして・・・




「何気なく窓みたら莉子の姿見つけて、泣きそうな顔してるから


なんかあったと思って走ってきた」



息をきらして追いかけてきたみたいで館内は冷房が効いてるのに額には



玉のような汗を浮かべていた




追いかけてきてくれた蓮に縋り付きたくなるのをぐっと我慢した




だって蓮の後ろには車いすに乗る玲奈ちゃんの姿があったから・・・



「蓮兄・・・どうしたの?って・・・莉子ちゃん?」




「玲奈ちゃん・・・・」




「蓮兄の言ってた人ってもしかして・・・・」




玲奈ちゃんが蓮の顔を驚きの顔で見つめる



蓮は玲奈ちゃんのほうを見るとにっこり微笑んだ




その笑顔はあたしに向けられるものと同じ



心がぎゅっと悲鳴を上げた



「こいつ俺の女・・ってかおまえら知り合いか?」




「蓮兄ってば莉子ちゃん知ってるなら言ってよ~でもなんか嬉しい


蓮兄の大事な人って莉子ちゃんのことだったんだね~」



満面な笑みを浮かべて蓮と話す玲奈ちゃん



ふたりの関係は・・・・?




って・・・蓮なんか顔赤いし・・・



「なんでそんな泣きそうな顔してんだ?なんかあったのか」




あたしの髪を撫でながら顔を覗き込む蓮に意を決して聞いてみる



「蓮・・・・玲奈ちゃんとはどういう・・・」



「あ?こいつは俺の死んだ母親の妹の娘、従妹だ」




い・・・・いとこ!



驚愕の事実に涙も引っ込んだ



そういえばどことなく似てる・・・・かも




「そ・・・そうなんだ」



力が抜けたように呟くあたしに蓮が耳元で囁く



「わかった・・お前元カノとか思ったんだろ?だから泣きそうな

顔してたんだろ?馬鹿だな」



そっとあたしの頭を胸に寄せると優しく抱きしめた






























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