溺愛協奏曲
目を真っ赤にして俯く玲奈ちゃんの頭を優しく撫でると蓮はゆっくり話し出した



その表情は険しいままで見たことのない表情の蓮がそこに居た



「ここからは俺が話す・・・・玲奈、いいか?」



「うん・・・・ごめん蓮兄・・・」




涙を拭いながら玲奈ちゃんは頷いた



そんな玲奈ちゃんの姿を黙って心配そうに見つめる涼くんと拓巳くんに弱弱しく




微笑む玲奈ちゃんを見ると蓮はゆっくりと話し出した



「あの日は音楽室の溜まり場に来ても玲奈の様子が少しおかしかった


なんだか瞳が死んでてうまくいえねえけど色がなかった・・・・



なんかあったのかって言っても大丈夫の一点張り、いつもは一時間くらいは



平気でいるのにその日に限って用事思い出したから帰るっていってすぐ帰って行った



ちょうどその日は午前授業でみんな昼には下校して校舎にはほとんど人がいなかった



だから、送るって言ったのに玲奈は大丈夫だって笑って帰って行った・・・・



俺・・・真っ昼間だから大丈夫とか簡単に考えててまさか玲奈がそんな目に




逢ってるなんて夢にも思わねえ・・・龍斗と付き合ってることは知ってたから



あいつに逢うのかなって思って音楽室でさよならして、涼や拓巳と少し遊んで



俺も30分くらい後に帰った・・・・すると下駄箱んところでちょうど龍斗に



逢って血相変えて俺を見るなり飛んできた、手に菊の花抱えて・・・・」







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