溺愛協奏曲
起きた頃にはすでにお昼も過ぎ気怠い体を引きずるように起きると枕元で眠る蓮を見つめた




どのくらい飲んだのだろう


沢山の瓶や缶が転がっていたのでたぶんものすごい酒量だよね



蓮もだいぶ飲んだみたいでまだぐっすり夢の中



未成年なのにいいのか?思うけど・・・



いつもは行きかう足音や声がする屋敷の中が今日は嘘のように静かで・・・




パジャマ姿のままカーテンを少し開けて外を見ると青空が広がって真夏の日差しが振りそそぐ



いいお天気だなあ、でも今日も暑そう



入院しててどこにも行けなかったしどこかに行きたいな




そういえば玲奈ちゃんはどうしてるだろ




あれから連絡とってないしメールでもしてみようかな



そう思って携帯を握りしめたとたん突然震えだした携帯



画面には「玲奈」の文字



慌てて通話ボタンを押すと耳元に久しぶりに聞く玲奈ちゃんの声が響いてきた




「莉子ちゃん、元気?玲奈だよ」



「玲奈ちゃん!久しぶり~元気にしてた?」




「うん、元気だよ~あれからリハビリ頑張ってさ、なんとか松葉杖突いて

歩けるようになったからうれしくって電話したの~」




「そうなんだ!え~っよかったね、ほんとによかったよ~おめでとう」




「それで夏休みも明日で終わりでしょ、莉子ちゃん入院とかしてたから


何処にも行けてないでしょ?だから今夜皆で花火見に行こうと思って・・・


今日このあたりで花火大会あるの知ってた?」




えっ?花火?



花火と言う言葉にあたしのテンションは急上昇



「あたしも松葉杖突いてだけど歩けるようになったし皆で一緒に行かない?


どうせなら浴衣着てばっちり決めて、ちょうど2着あるし・・・ねえ行こうよ」





「え~行きた~い!でも浴衣借りちゃっていいの?」



「いいよ、全然大丈夫ママがヘアメイクと着付けもしてくれるっていうから


夕方4時くらいになったら又連絡するね」



「了解、じゃあまたあとで」




通話ボタンを押して携帯をじっと見つめた


























































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