溺愛協奏曲
組員さんたちが居た場所は少し高くなっているからか花火がよく見える



ビニールシートが敷いてあり皆で座って夜空を眺めた




打ち上げ花火はどれも見事であちらこちらで歓声があがる




蓮はあたしの手を握ったまま空を見上げていて・・・




ただ穏やかに時間が流れて、蓮の横顔を見つめていた



来年も来れたらいいな



来れるといいなあ




夏の夜空を彩る花火を見てそんなことを思った




「どうした?考えこんでっけどなんかあったか?」




「ううん、ただ来年も来れたらいいなってそう思っただけ」




「そうか・・・・っていうか莉子が来たいんなら毎年連れてってやるし


来年も皆で来れんだろ」



「そうだね!来年も来ようね」




蓮と約束をして空に消えていく打ち上げ花火を黙って見つめた



時折、涼しげな風が吹く河川敷で見る花火はあっという間終了し



夏の終わりを感じさせる夜だった







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